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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

    完了報告(2016年度) (2017年3月6日)   皿海英幸

 「剥離清掃は体制が整ってからにしてください。無理をせず安全第一」と管理者に言われて久しかった。確かに障害者と共に行うワックス清掃は安全第一。だけど、前回は何年前にしたかわからないような剥離清掃は大変。ワックスを何回塗布したかわからず、億劫になりがち。

 だけど、ここ数年で新しいポリシャー二機を購入していただいた。そして使いやすい自動床洗浄機も購入していただいた。これらはどの機種にするかについて私がかかわらせていただいた。

 そして何よりSさんという清掃に積極的な同僚を得た。Sさんは清掃の経験はないが、「Sさんを清掃担当職員として指導教育してください」と私に任された。そのSさんが経験を積み、ワックス清掃をほぼ任すことができる実力をつけてくれた。まさに体制は整った。今年度は積極的に剥離清掃に取り組んだ。

 ただ、利用者が以前より高齢化し、メンバーが変わったため、年間を通してかかわってくれる人が少なくなった。若い人を育てるチャンスでもあった。

 「Sさん、体制は整いました。今年は剥離清掃に取り組みたい。大変だろうがよろしくお願いします」「わかりました。指導してください。やりましょう」という会話を春に行った。頼もしい限り。

 Sさんは丁寧で細やかなところに気が付く人。「ここも貼っておきますね」と養生テープを私は支持するのを忘れたところも貼ってくれる。また剥離剤を丁寧に塗布される。用意していた剥離剤が足らなくなり、慌てて作るときもあるが、仕上がりがきれいだ。何年かに一度の剥離なので、仕上がりがきれいな方が良い。

 剥離作業をしていると、剥離剤によってとかされたワックスがどろどろの状態になり、床を移動するのが不安定。作業中は、網目状のカバーを靴の上に履き、慎重に移動することが大切。足を滑らして転ぶと大抵後ろ側に転ぶ。手を付けず、頭とか背中を売ったら大変。そのため利用者には無理をさせないこと。そして、指示は具体的に短めに。機械を操作中は特に指示が伝わりにくいことも考えられるので、強い語調で指示を出すこともあり。

 「リフレ」の清掃は府中市との契約に基づくものなので、報告書作成資料として作業風景の写真を撮る。カメラ操作のため、手袋を脱いだりはめたりもしばしば。同時に写真として記録を取っておくと、仕事ぶりがよくわかり、あとで指導の仕方を確認することができる。

 特にSさんは私が指導教育を任されているので、カメラで成長ぶりを取るのが楽しい。ポリシャー等、機会による作業の際、はじめは表情にずいぶん緊張感が表れていたが、最近は柔和な表情での作業となり、若干の余裕が感じられる。

 剥離清掃は気を使い、体力も使う作業だけに、きれいに仕上がったときの達成感、そして参加者間の連帯意識を強く感じる。これを味わうことも障害者支援としての清掃にとり大切なことだと思っている。

 ただし、リフレ清掃は事務所あり、貸室あり。使用される職員や市民の迷惑にならないように清掃を行う必要があるため、こちらの思い通りにいかない場合がある。広い場所は区切って清掃をするが、剥離の場合、計画的に作業をしないと境目が目立つことあり。この辺りはジレンマ。

 正念場は年が明けてから。一階エントランスホールは面積が広いので区切っての剥離清掃。清掃の予告をしていても外部の人が立ち入る可能性も考えながらの作業。そのうえ、前回剥離したのは七年~八年前。心を一つにし、ていねいな作業が必要。

 ともかく三月四日、今年度のワックス清掃はすべて終了。今年を象徴するように一階エントランスホール剥離ワックスだった。すべての作業終了後、Sさんとがっちり握手。少し強めに握るとSさんも握り返してくれた。素手ではなく、手袋を通してだが、思いは通じたように感じる。「強かったですか」「いえ、大丈夫、私も強く握りました」

胃の手術の日、看護学生と握手をした。後日「皿海さんは大丈夫、皿海さんは手術日にもかかわらず、私の手をとても強く握られた。命を感じることができた」と伝えてくれた。Sさんと握手をしていてこの時の記憶を思い出した。私に取り、剥離清掃は命を感じるとき。困難を伴うからこそきっちりやりたい。

反省点としては、みんなで打ち合わせをするとき、「わかば」ではなく、現場で、図面も使用しながらやればと感じた。

来年も終了時、がっちり握手できるよう、充実したワックス清掃をやりたい!