2009メインメニュー

postheadericon 一年越しの思い

2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー


一年越しの思い    皿海英幸
  「私たち、バラ祭りでがんの啓発活動をする予定です。皿海さん、見学に来
てね。将来は府中地域がん患者会と合同行事ができるといいなと思っていま
す」「ありがとうございます。行かせてもらいます」「福山アンダンテ(乳が
ん患者会)」に声をかけていただいたのは昨年春のこと。残念なことに肺炎を
患い、参加できなかった。
  「申し訳ない」という思い、「どんな活動をされているのか見ておきたかった。患者会活動の参考になる点があるかもしれない」という思いはずっと持っていた。今年のリレーフォーライフ(RFL)が福山で行われるので、アンダンテの活動に加え、RFLの案内としてのチラシも配布する。ぜひとも参加したい。
ただ、今年になり、両親ともに介護認定で要介護となった。体調が悪い時の休日には私が家事をしたり、時として身体介護をしたりする。
そのためRFL実行委に正式参加を伝えるのではなくアンダンテ知り合いの役員に参加を打診していた。
幸いなことに、最近両親は調子がよい日が続いたので、「半日くらいなら問題ないだろう」と判断し、参加することとした。
  「あっ、忘れ物。バラ祭りのチラシを取りの帰らなくちゃあ」最寄り駅、高木駅に向かう途中で引き返す。「そそっかしいのか、女性ばかりの会に参加するため、今から緊張しているわけでもないだろうに。「この程度のチラシ(新聞折り込み)は福山駅においてあるかもしれないし、観光案内で配布しているかもね」と思いつつ、急ぎ足で駅へ。
  「やっぱり」福山駅ではメーン会場となる緑町公園直通バスの案内をしているし、チラシは多数置いてある。バスで緑町公園へ行き、福山アンダンテのブースを探す。「おはようございます」ブースが見つかりまずは挨拶。
  「いらっしゃい。元気そうですね」「今日は男性が加わり、心強いわ」笑顔が返る。そう、アンダンテのスローガンは「笑顔で前進」  乳がんモデルによる自己検診方法の説明を主として行うブースなので、カップルに声をかけると、男性が照れ臭そうに足を速めるケースが多い。「皿海さんが男性の話し相手をしてもらえれば助かるわ」と言われる。自分の役割があるということはいい気持ちである。
  まずは私が照れないよう、乳がんモデルに触れ、がんの部位を確認する。モデルと分かっているが最初はドキッとする。「妻の胸にはしこりがなかったよな」と自分に言い聞かせる。振り返ってみるに、私はがんになって変わったなと思う。以前の自分なら、女性のグループと一緒の活動は避けていただろうし、乳がんモデルに触れるより、足早に離れようとしただろう。
いよいよ活動。RFLのチラシを配りながら、乳がん自己検診の体験を進める。
相手がいせいなので、さりげなく誘うよう心がける。
繰り返し声をかけたり、具体的な部分に触れたりするとセクハラと感じる女性がいるかもしれない。カップルにたいしては「ご家族の健康のため、ぜひご一緒に体験してください」と勧める。
  「がん啓発のチャリティイベントが今年九月に福山で開催されます。よろしくお願いします」RFLのチラシにティッシュあるいは飴を添えて渡す。受け取ってもらえた人に「場所はすこやかセンターですから分かりやすいと思います」と付け加える。ほとんどの人がうなずかれる。このうち何人の人が実際参加してくださるか、楽しみである。
  府中市在住のRFL実行委員としては、府中市民に知ってもらうこと、参加してもらえることも大切。市民参加の祭りとしては「産業メッセ」「ドレミファフェスティバル」があるが、どちらも健康に関するコーナーはない。ではほかにどんなやり方があるか。がん患者会で考えてみたい。