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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

    もう大丈夫    皿海英幸
 「あれ、のどがいがらっぽいし、身体が少し熱っぽい。風邪でも引いたかな」四月十一日の夕方、職場で作業中に感じる。風には人並み以上気をつけている。抗がん剤を使用し始めて以来、冬はもちろん夏でもマスク着用。帰宅したらうがい・手洗いは当然。術後五年過ぎた安心感か、最近少しさぼる日があるけれど。
 学生時代、気管支炎を長引かせて苦労した経験あり。また、「がんの治療が順調でも、風邪をひくとコロッと変化(悪化)する場合がある。十分気をつけるように」と主治医に言われたことがある。それなら予防注射をと思うが、「抗がん剤の治療中はしないほうがよいでしょう。免疫力がかなり落ちていますから」と言われた。以来マスク・うがい・手洗いは大事にしている。がんの関係で取材を受け、新聞に写真が載ると、「誰かわからなかった。作業着にマスクだと皿海らしくて分かりやすいのに」と周りの人に言われる。
 帰宅し熱を測る。36・8℃ 少し熱が出ているが、微熱ともいえないくらい。私が風邪をひいたとき、背中に痛みを感じたら重症化、感じなかったら軽症という経験則がある。今回、痛みは感じないが、首の付け根あたりにどんよりとしたものを感じる。いつもより早めに寝て様子を見よう。
 翌日、翌々日と体温を測るが、37℃前後が続いている。この程度の熱ならインフルエンザ、肺炎の心配はない。仕事は続け、ジョギングは控え、早目に寝る生活を続けることで治るだろう。病院へは行かないことにしよう。注射や薬は風邪の諸症状への対処療法のみ。根本的に直すのは自身の免疫力と心得ている。それに、西式だったろうか、日本の健康法の中には「風は体内の大掃除をしてくれる」という考え方がある。風邪と戦い、諸症状を通して、体内の毒素を排出する。だから風邪が治るとすっきり感がある。
 とはいえ、微熱の日が続くとちょっぴり不安になる。そういえば昨年誤嚥性だけど、肺炎を起こしたのは4月下旬だよな。弱気の芽が出出した。そこで最近話題の本「大往生したけりゃ医療と関わるな」「50歳を超えても30代に見える生き方」を読む。どちらも「熱、せき等風邪の諸症状を薬で抑えるな。医者にかかるな」という点で一致している。もっとも、人は本能的に自分の考え方に近い本を選んで読む傾向にあると思う。
 「えっ!」インターネットで調べると「風邪をひいたら鉄剤は飲まないように。鉄は風邪菌のエネルギーになる」というのがある。胃の手術以来、貧血状態になりやすいので、時々鉄剤を処方してもらっている。ふつう、胃を手術した人は注射での治療だが、私の場合、鉄剤でも改善するのでそれですませている。飲んだものは今更どうしよう。くよくよするのが一番悪い。
 「市販薬を上手に利用しましょう」というのがある。「本当かな」と思いながら読み進むと、製薬会社提供のページ。さもありなん。こんなこともあるからインターネットは面白い。薬に頼るより、免疫力アップが大切と、エッセイ「手ごたえ」を記す。だけど、なんとはなしにすっきりしない日が続く。風は七日~十日で治まるというが、私は十五日から二十日かかることが多い。物持ちがよく、粘り強いのが個性ということか。
 土・日の外出は控えていたが、平熱に戻ったことだし、二十一日「びんご生と死を考える会」講演会に参加。終了直前指名され、「リレーフォーライフイン福山」の説明をする。打ち合わせなし、サプライズに弱い私の説明で皆さん理解できただろうか。
 「皿海さん、鼻声で辛そうですね。そんな時は蒸しタオルを鼻にかぶせておくと早く治りますよ」知り合いの看護師に声をかけていただく。
 二十六日、やっとすっきり気分。「風はぶり返すことがあるから、あせってはいけない。ジョギングはまだあとにしたら」施設利用者に声をかけてもらった。我慢、我慢。ジョギング再会は二十八日からにしよう。でも、医者にかからず、今回治ったということは自信になる。でも、連休にまにあってよかったなあ。