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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー


   ささやかな幸せ   皿海英幸
 「何かやり残したようだ。もう一日休みがあれば充実した連休になるのに」連休最終日には常に思う。だけど実際はどうだろう。今回の連休中、良かったこと・幸せを感じたことを思い返してみたい。
4月28日 ・父の退院。4~5日間の予定で入院していた父が無事退院する。夕食は妻と私で準備し、久しぶりに家族五人の宴。「退院祝い」と連休の幕開けにふさわしい行事ができた。
4月29日 ・がん闘病者榊原茂樹さんの絵画鑑賞。榊原さんは前立線がん多発性骨転移と診断され、余命一年と宣告されたが、六年後の現在も元気で過ごされている。笠岡グランドホテル内ワコーミュージアムで鑑賞。人物がとても生き生きしており、写真のように細部まで細かく表現されている。死を意識したことのある人だから、独学ながら感動を与える絵を描けるのか。昼食は鶏がらスープ、鶏肉の煮込んだのがチャーシュー代わりにのせてあるご当地笠岡ラーメンを食す。
4月30日 ・エッセイ「もう大丈夫」を記す。 四月上旬風邪をひいたが、医者に診てもらわず、免疫力を頼りに直したいきさつを記したもの。昨年のゴールデンウィークに「誤嚥性肺炎」にかかり、入院していたのとは大違い。
5月3日 ・医学生からのメール。 「学生医療研究会報告会であせび会(難病者の会)について発表するが、『病気を乗り越え、元気にマラソンをされる皿海様』も取り上げたいがいいですか」という内容。異性であり、年齢も離れた女子医学生に私の生き方を評価してもらえるなんてとてもうれしい。
5月4日 ・岡山市内をジョグ。 岡山駅を出発し、一時間半ジョグを楽しむ。風邪が治り、ジョグを再開していたが今一気分が乗らず、長い距離を走っていなかったが、今日は楽しめた。しかも朝食はすき家の「卵かけ朝食(二百円)」捕食を取らずに余力を残して走った。いつもが食べすぎなのかな。運賃も普段往復2900円のところ「岡山・尾道お出かけパス」利用で1800円。お得だ。
 ・あき缶整理。 岡山市内をジョグ中、自販機の空き缶入れが私のちょうど前に転倒し、空き缶が散乱する。周りに誰もいない。よい機会と思い、空き缶を片づける。終わるとすがすがしい気分。岡山まで来てあき缶整理の機会を得たことに感謝。善意は人知れずやってこそ意義がある。

・「古代七つの文明展」を鑑賞。市立オリエント美術館にて。東日本大震災以来、私たちは新しい価値観、生活をつくらなくてはならないが、そんな時だから、古代文明、古典といったものに接したい。温故知新。鑑賞後、図録を購入するが、吉村作治先生の署名入り。
・北長瀬駅周辺散策。 岡山駅より一つ西側の駅。問屋町への道、バイパス沿いあたりを歩く。「ジョギングコースにいいですよ」と以前岡大附属病院看護師に紹介していただいた。歩道の幅は広く、見晴らしもいい。ただ、北長瀬駅にコインロッカーがないので、着替え入りのリュックをどこに置くかが課題。でもやっと現地視察ができて良かった。
5月5日 ・畑仕事にめどがつく。 私の風邪、父の入院でしばらく畑に行けなかったが、連休中に草刈りを行い、キャベツの苗を植える。先日妻が植えたナス、トマトと合わせ、初夏には新鮮野菜が楽しめそう。
 気持ちの持ちようで「ささやかな幸せ」は身の回りに見つけることができる。今回の連休、遠出をしたわけでも、散財したわけでもないが、こうしてみるとささやかな幸せを感じ、充実して過ごしたように感じられる。今後も平凡な日常を生きる幸せを大切に暮らしていきたい。