2009メインメニュー

postheadericon 2011年12月気が合うね

2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

   気が合うね
 「父さん、おからを炊いてあげたよ。好きなのでしょう」と妻。「ありがとう」ひきつりそうな笑顔で答える私。十一月吉日の出来事。実は私も同じ日におからを炊いていた。気が合うとでもいうのかな。ただ、妻は野菜を刻んで入れ、醤油で味付けしたもの。私はニラだけを入れ、酢で味付けしたもの。味付けが違うところが救いかな。
 胃を全摘した私は血糖値が変動しやすく、HA1Cが高くなりやすい。そこで最近ご飯の量を少し減らしてみた。その分おからを少しずつ食べることで空腹感を防いでいた。そのことにより、HA1Cは低下傾向にある。
        
 「うえっ!」食事中苦しくなった。おからはぱさぱさだからか、たくさん食べると苦しくなる。でも妻は私の血糖値を気にして料理してくれた。二人が同時に炊いたので量が多い。他の家族はほとんどおからを食べない。痛んで捨てるようなことがあっては心苦しい。「途中、苦しくなるのでは」と思いながら気をつけて食べたのだが、やはり苦しくなった。早くゲップが出ると少し楽になるのだが。でも、こんなことしていて、体に良いことだろうか。
 職場で食べ、苦しんでいると周りの利用者が気付き、声をかけてくれる。ありがたいのだが、しばらく無視してくれるのが最善の方法なのだけど。
 「ウィ!」待望のゲップが出た。これで少し楽になるぞ。夫婦とはいえ、気が合いすぎるのも困ったものだ。

   大丈夫ですか
 職場の仕事として府中市保健福祉総合センターの清掃作業をしています。十一月二十五日、長寿サポートセンター前のフロアを清掃していました。
 そばのラックに「その物忘れ大丈夫? 参加者募集」というチラシが置いてありました。「面白そうだな。私も物忘れを良くするし、参加してみようかな」と思い、チラシを手に取りました。
 「えっ!」実施日は二十三年九月十八日です。既に二カ月以上経過しています。高齢化社会と言われて久しく、職員の皆様はおいそがしいと思います。揚げ足取りではないのですが、二カ月も片づけるのを忘れて置きっぱなし。「その物忘れ大丈夫」ですか?

   握手攻め
 十一月二十七日(日)第七回全国がん患者大集会が東京でありました。東京まではいけないので、最寄りのサテライト会場である中国中央病院へ行きました。
 会場は暖房が利いており、湯茶のサービスもあり、大きなスクリーンで東京の映像を見るようになっていました。快適な環境です。周りを見ると、福山アンダンテ(乳がん患者の会)メンバーが多数おられるようです。
 今回は新薬(抗がん剤)が開発され、実際に診療現場で使われるようになるまでの過程や問題について分かりやすく説明されていました。
 予定の時間に大集会は終了しました。会場を出ようと思い、顔見知りのアンダンテ役員さんにあいさつをしました。「皿海さんはね、胃の手術をしているのだけど、フルマラソンに出場されるのよ」周りの方々に紹介されました。「すごいですね。元気を分けてちょうだい」といいながら握手を求められたので応じました。以後「私にも元気を分けて」「頑張ってきてね」次々に握手を求める女性たち。こんなに多数の女性に囲まれるなんて。でも、照れることなく素直に握手できました。
     
 元気を分けるどころか、私がいただいた気分。外は既に夕暮れ。カブで帰宅の私に十一月下旬の風は冷たいが、心はほんのり温かいものを感じました。