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postheadericon 2011年4月最後の学習会

2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

    最後の学習会   皿海英幸
 「三月はワックス清掃があり、忙しいけど、やっぱり休みを取って倉敷へ行こう」三月七日に決め、八日「生きがい療法学習会」に参加する。
 「二十七年間活動を続けてまいりました生きがい療法実践会は今年度をもって終了となります」と記した手紙が五日に届く。最近ご無沙汰していたが、最後となればぜひ参加したい。
 はじめて学習会に参加したのは四年前。岡大附属病院で「現時点で手術はできない。抗がん剤による治療を先行させよう」と言われ退院した。抗がん剤は諸説あるので、他に何か自分にできることはと探していて巡り合った。
 会員・スタッフ皆さん温かく迎えてくださったが、会の最初に行う「ユーモアスピーチ」(当時の名称)は苦手だった。「まじめ一筋」と言われた私がユーモアたっぷりの話を披露し、参加者に笑っていただく。学習会が近づくと「何を話そうか」と悩んだ。たしかにその間がんのことは忘れている。
 会員の皆さんはベテランぞろい。ちょっとしたことで笑って下さった。自分もそのうち楽しみにするようになった。そしてその後の「生き方・がんに関する学習」は非常に役立った。「腹膜転移したスキルス胃がんで元気になった人の例はほとんどない」と言われる中、経過が順調なのは、抗がん剤の効き目だけでなく、生きがい療法の果たした役割も大きいと思っている。
         
 さて今回の、笑わせ療法だが私の題は「通じなかったジョーク」 「神戸バレンタインラブラン」参加賞蘭の花に関する話。生きがい療法実践会と神戸の看護学生との合同学習会の際「皿海さんの生き方を支持するので、宮崎だけではなく神戸でも走ってください」と言われて参加した大会だけに、学習会での話題にふさわしいと思い披露させてもらった。皆さんの反応はとてもよかった。
 次は「生きがい療法 新たなる展開に向けて」Ⅰ医師の話。要旨を記す。
 
生きがい療法は森田療法と精神腫瘍学のハイブリッド心理生活療法をベースに確立。社会的役割を十二分に果たしてきた。
 ところが現在日本の標準的がん治療においては転移・手術不能など治る見込みのない患者に対し、早々に治療を終了し、ホスピス意気を進めるのが、一般的。結果、がん難民と呼ばれる人々が激増しており、これを何とかしなければならない。
 「患者の生の欲望を支える手を尽くしたがん医療」を医師・病院・行政に求める行動に取り組んでいくことが不可欠な課題となっている。
 実践会・患者会は親睦・学習活動だけでなく、患者力をつけ、場合によっては団体交渉等も行う「行動する会」に変わらなければと考えるようになった。
 そのため、実践会は終了とし手を尽くしたがん医療を目指す患者組合」を早急に発足させ、活動を開始したい。
 
I医師の熱い口調から「がん難民をなくしたい」という思いは十分伝わってきた。「私は新たな患者組合に参加します」という声を発する会員がいた。患者力を養うための学習活動への参加は私にも可能かもしれない。ただ、がん難民状態にある組合員に対しての救援・支援活動だが、場合によっては団体交渉と述べられたが、仕事を持っているがん患者にどれほどのことができるか、考えてみなければなるまい。
 その後、「患者力」(判断力・実行力)を高めるため、クイズを通しての学習会があった。今回は復水・腹膜播種がテーマだけに興味深く学習できた。
 学習会終了後、事務局員Tさんが話しかけてきた。「皿海さん、N市の看護学生が『がん患者の生の声を聞きたい』と言ってきたので皿海さんの資料を送りました。電話番号を伝えてもいいですか」「えっ!N市と府中市は遠いですが、私でいいのですか」「はい、直接会って話を聞きたいということです」「分かりました。伝えてください」これでは最後の学習会だからと感傷的になっている時間は無いな。