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postheadericon コラム パーセント(2018年02月28日)

2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

    コラム パーセント(2018年02月28日)  皿海 英幸

 五十歳の頃だろうか。私はうつ病を発症した。症状としては考え込んで夜眠ることができない・お金の計算ができず、買い物に行くとミスばかり。それ以来、どうも数字に関して苦手意識がある。後で「もしかしてがん性うつかもしれない」と感じられたが、一度身についた苦手意識はなかなかぬぐうことができない。

 最近数字に関しての話題を見つけたので、当時を思い出しながら記してみようか。


    十パーセント
 新聞紙面の広告に週刊誌が載ることがある。「スキルス胃がんにも達観 五年生存率十%」という字が飛び込んだ。「週間新潮 二月十五日梅見月増大号」の広告だ。

 衝動買いかもしれないが、普段週刊誌を買わない私が購入して読む。元プロ野球投手であり、国会議員に選出されたことがある江本孟紀氏のがん告白が掲載されていた。

 要旨を記す。昨年三月胃カメラによりスキルス胃がんと分かり、六月、胃の全摘手術を受ける。転移がなかったので事前の抗がん剤は打っていない。

 「がんは全部取りました」「手術は成功したが、五年生存率は十%~二十%と告げられる。七月頭に退院。「好きなものをどんどん食べないとやせ衰えますよ」と言われ、退院直後に「ケンタッキーフライドチキン」に駆け込む。もう古希なのだから、再発するならするで、それまでの間にどれだけやりたいことをやっておくかが重要だと思うのです。

 こんなところかな。ところで私は腹膜播種したスキルス胃がん。今の状態では手術しても意味がないということで事前に抗がん剤を飲んで手術をした。そして「五年生存率は十%を少し超えるくらい」と告げられた。十一年半前のことである。

 「生存率がそんなに低いのなら、私が五年以上何としても生き抜き、生存率の数字を高くしたい」と思い治療に専念した。だけど今もスキルス胃がんの五年生存率は当時と変わらないと知り、びっくり。うーん、十一年の月日がたち、医学は進歩しただろう。私は必至で生き抜いてきたのに。

今一度生きている幸せをかみしめ、ていねいに、大切に生きていきたい。

    抽選
 二月二十五日は「東京マラソン」の日である。娘はかねがね「父さんも東京マラソンに出場すればいいのに。宮崎の青太マラソンより有名よ。完走し『スキルス胃がんでも完走できます。胃を全摘していてもフルマラソンを完走できます』と記者会見をすればいいのに」という。

 気持ちはうれしいけれど、東京マラソンなんて出場希望者がとても多く、抽選で出場者が決まる。その倍率が高いこと。何年も申し込みはするが、抽選で外れ、出場したことがないという人も珍しくはないと聞く。

 そんな高倍率のマラソン、籤運の悪い私が当たるわけがない。「申し込むだけ無駄なこと」と思い、今まで申し込んだことはない。

 いや、ちょっと待てよ。私は籤運が悪いのだろうか。抽選が苦手なのだろうか。スキルス胃がん、「手術は成功したが、五年生存率は十%を少し超えるくらいかな」と言われた。「こうなったら数字を無視して生きよう」と思ったが、当然八十数%の方に入る可能性の方が高い。「あなたは基礎体力が抜群だからもしかしたら・・」とは言われたが。

 もしかして普段は籤運が悪く、いざというときのために運を取ってあったのかもしれない。でも、仮に籤運が強かったとしても、たくさんの方が東京マラソンに出場希望なのなら、やはり申し込みをせず、譲ってあげてもいい。私はほかのマラソン大会でも楽しむこともできると思うから。


 マラソンといえば、三月四日、「全国健康マラソン井原大会」に出場します。昨年はハーフの部に、そして今年は五キロの部に。「ぜんぜん距離が違うけれど、何か意図があるの?」と思うかもしれませんね。いえいえ、意図などありません。インターネットで申し込むとき、クリックする場所を間違えただけ。

当然距離が違うから、完走予想タイムが違います。五キロの部にハーフのつもりで記したら、制限時間をオーバーし、出場できません。事務局に電話をかけ、平謝りしておきました。「出場部門の訂正はできない」ということなので、タイムの訂正をしておきました。いずれにせよ、当日は楽しみます。応援よろしくお願いします!