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postheadericon ああ勘違い(2017年11月07日)

2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

     ああ勘違い(2017年11月07日)   皿海 英幸

 「待てよ、広島国際平和マラソンは十一月三日、大相撲安芸場所は十月二十八日。例年だと直前の土日はマラソンの練習だよな」知人に安芸場所のチケットを譲ってもらった後に気づく。「まあいいか。日ごろの練習がものをいうと思えばいいや。でも、今年は十二月青太マラソンに出場しないだけに、しっかり走って楽しみたいな」

 そんな思いで迎えた広島国際平和マラソン、雨の心配はないが、この時期だけに寒さを感じてもいいようにランパンとランニングタイツ両方をバッグに詰めて広島へ。受付をすますといつものようにSさんにメール。「開場に着き受付を済ませました。広島は天気が良いです」そしてTシャツにゼッケンをつけ、靴にタイム測定用チップを付ける。そして走っている途中、エネルギー切れにならぬよう、ゆっくりとおにぎりを食べる。胃を全摘している私には恒例行事。

 「うーん、今日はまだメールの返事がないぞ。どうしたのかな」昨日のことを思い出す。「明日、広島のマラソン大会に参加します。いつものように応援メールくださいね」「すごいですね。もちろんメールを送ります。頑張ってくださいね。ところでスタート時間は何時ですか?」「おそらく十一時頃だったと思います」「了解です」こういう会話を交わしているのだから、応援する気持ちがあるのは間違いない。家にいるとお子さんもいるのだから忙しい時間帯だったのかもしれないな。私は楽しんで走り、土産話のネタを作ろう。

 「芝生内にベビーカーを入れないでください。シートも芝生に影響しますからたたんでください」何回となく放送されている。スポーツ愛好者はルールを守ろうよ。

 さて、チャレンジコース(十キロの部)のスタート時間が迫るので道路上の招集場所に整列する。今日は体感温度が高いように感じる。水分補給が大切だな。

周りを見渡すとさすが広島、赤い色が目立つ。カープのユニホームやビールかけTシャツ。ビールかけTシャツの背中には多数のカープ選手の名前が記してある。だけど私のTシャツの背中にも術後十年を祝ってくれる人たちの名前が記してある。人数ではかなわないが、一人一人の熱いメッセージが記してある。私の大切な勝負Tシャツ。もちろんSさんのサインもある。

いよいよダイアモンドホテル前をスタート。今日はこの季節にしては暑さを感じるし、カメラをウエストポーチに入れており、景色を楽しみたいのでゆっくり走り始めると言いたいが、かなりの集団なので、ばらけるまでは集団の流れに身を任せるのが良い。

庚午橋を渡ると商工センターへと走る。先日安芸場所を見に来た広島サンプラザの前を走るときは何か懐かしさを感じる。折り返し近くで給水所がある。水の入った紙コップ二つをいただく。一つはもちろん飲料用、もう一つは体にかける。これで気分がしゃんとする。

後半は一キロごとに距離表示がある。後二キロ、あと一キロという表示を見るとランナーの本能としてはギアを上げスピードアップしたいところだが、今日は我慢。練習量がいつもより少ないしこの暑さ、無理なスパートは体に負担を与えすぎる。

広島スタジアムに帰り、気持ちよくゴール。タイムは五十五分三十二。えっ!時々コースのほとりに立ち止まり写真を撮っていたので六十分くらいかと思っていたがいつものタイムより一分余り遅いだけ。本気で走っていたらどうだったのかな。

汗を拭くと携帯を見る。Sさんからの応援メールの着信あり。着信時間は十時四十九分。私が「スタートは十一時頃」と言ったのを意識してのこの時間のメールだと思うと感激。でも、一万人以上が参加するマラソン大会だと招集時間は一時間前がほとんど。今度会ったら教えてあげなくちゃあと思いながらも「気持ちよく完走と言いたいけれど、暑かった」と返信。

「昨日はありがとう。スタート時間に合わせて送ってくれたのだね」翌日あいさつ。「いいえ、昨日は地域行事に子どもと一緒に参加していて忙しかったのです。手がすいたらメールをと思っていたらあの時間になっちゃった。ごめんなさい」なあんだ。そういうことか。私の勘違いか。でも、忙しい中でメールの交換ができたことに感謝だな。

ところで、今回の広島国際平和マラソン、レース中に体調を崩して亡くなられた人がいると翌日の新聞で知りました。ご冥福を祈るとともに、体調管理をしっかりし、タイムや順位にとらわれず、楽しんで参加したいと改めて思いました。