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postheadericon カープ女子誕生(2017年5月5日)

2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

     カープ女子誕生(2017年5月5日)   皿海英幸

 「もうすぐ初孫Yちゃんの誕生日、一歳の誕生日といえば一升餅を送ろうよ」と妻に言う。「そうね、お餅とおもちゃがいいかな」「よし、決まった」「父さん、一升餅だけど、最近は一升のお米で小餅をついてそれをかわいいリュックに詰めて負わせるそうよ」「そうか、家族の人数が少なくなったから、一升餅では後が困るということか。それにしようよ」

 数日後、「餅屋にお願いしたら、『二升からつきます』と言われたからそれでお願いしたよ。誕生日に合わせて家でも食べようね。少しは周りの人にお裾分けしてもいいし」と妻。「そうしよう」

 Yちゃん宅に行くのは五月三日と決まった。直前の日曜日、妻とおもちゃを見に行く。三歳くらいまで遊べる多機能ボックスを選ぶ。レジに並ぶとその横にカープのユニフォームが掛けてある。赤が鮮やかでとてもかわいらしい。「これ、Yちゃんが来たら似合うと思うよ。いいだろう」と手に取る私。「京都は阪神ファンが多いと思うけど、まあいいか。カープ女子は今や全国区よね」

 三日、九時前の新幹線に乗るべく福山駅に。「本日はたいへん込み合っており、ご迷惑をおかけします」とすでに放送あり。定刻に新幹線は来た。自由席の一号車に乗るが、奇跡的に二人とも別々に着席できた。私はともかく妻は膝の手術をしているだけに大助かり。Yちゃんに会いたいという気持ちがそうさせてくれたのか。日ごろの行いか。

 京都駅で在来線に乗り換え、最寄りの駅に。しばらくすると嫁とYちゃんが車で迎えに来る。早々と後部座席Yちゃんの隣に乗り込む妻。ちょっと待てよ、普通の車と違い、今回はYちゃんの隣が最上席なのに。Yちゃんは寝て起きたばかりのような顔。

 「お餅を背負わせたのですが、一升だと後ろにひっくり返るので、少し出して軽くして背負わせました」と嫁。「Yちゃんの体重はどうなの?」「一歳児としては標準。まさに真ん中なのです」

 そうこうするうちに小高い場所にあるYちゃん宅についた。中に入ると早速プレゼントを出す。そしてカメラを構える私。Yちゃんはおもちゃそのものよりも入れてある箱やプラスチックのカバーを手にして遊ぶ。

私たちが近寄るとどうしようかと戸惑うような表情。お正月に会って以来だからこんなものかな。

 しばらくすると嫁の実家のお母さんが来られた。手をたたくようにして喜ぶYちゃん。車で一時間足らずなので、時々顔を見せておられ、なついているようだ。いいなあ、近いということは。お父さんはタケノコの缶詰の製造で忙しく、連休といえども休むことができず、今回は欠席。残念だ。

 みんなで昼食会が始まった。Yちゃんはご飯とゆでた野菜にお茶。ご飯は特に柔らかく炊いた物ではなく普通に炊いたものを嫁が一口ずつスプーンで口に運ぶ。口に入れると一~二回もぐもぐさせるとすぐに飲み込む。へー、一歳児だけど食欲はすごいな。

 驚くのは早かった。食事の後、デザートにバナナ一本。皮をむぎ、半分に折って皿で出すと手でつかみ。口に押し込むようにして食べる。本当にたくましい。

 食事を終え、おばあちゃん同士が話し合っているとき、私はYちゃんにカープのユニフォームに着替えさせ、撮影会。「へー、父さんよく一人で着せたね。似合うね」一生懸命写真を撮ろうとするが、Yちゃんは動きが速くて決定的なところが取れない。「連写にしろよ」と息子。実家のお母さんは「Yちゃん、こっち」と私のそばで手を振りながら声をかける。みんなの協力がうれしい。

 「今日のお礼です」と言いながら、最近のYちゃんの写真数枚を両家に持たせる嫁。よく気が付く良い嫁だ。

 楽しい時間はあっという間に過ぎる。デイサービスに行っている私の母の夕食があるのであまり遅くには帰れない。「おい、駅まで送ってくれよ。嫁さんは実家のお母さんともう少しは話があるだろうから」と息子に声掛け。「めんどうだな。よし、一年に一回だけということでよければ送ってやろう」ありがとう。「一年に一回」ということは、「来年もまた、今の時期に来てくれ」という風に理解したぞ。よし!来年もYちゃんの誕生日にお祝いを持参しよう。でも、さすがにGWは避けて、少し遅らせてこようかな。そうすれば嫁の実家のお父さんも参加できるかもしれないし。

 Yちゃんに会え、じいちゃんはたくさん元気をもらったよ。すくすくと育ってくれよ。