2009メインメニュー

postheadericon バレンタインラブランより(2017年2月18日)

2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

     バレンタインラブランより(2017年2月18日)   皿海英幸

 「あっ、しまった。カープの帽子を忘れたな」新幹線が姫路を通過する頃気づく。今日は「神戸バレンタインラブラン。神戸の看護学生に私のがん体験を講演したところ、「皿海さんの生き方・考え方を支持します。だからぜひ神戸の街も走ってください」と言われ、出場し始めた大会。私だとわかりやすいようにカープのユニホームで出場している。今朝は寒かったので耳が隠れるニットの帽子をかぶって家を出た。でも、こんなことはほんのプロローグ。エッセイの材料に事欠かないことが今日もたくさんあった。

 新神戸で地下鉄に乗り、三宮へ。三宮から地上に出る。「あれ!」いつもと違う景色。出口を間違えたよう。三宮はJR・阪神・阪急、そしてポートライナーとたくさんの駅があり、スムーズな乗り換えが私には難しいところ。「うーん、困ったな」標識を見ながらダッシュし、ポートライナーの駅を見つける。やれやれ。

 会場のポートアイランド市民広場に到着し、受付をすます。今日は、母の朝食準備をし、声をかけてくるため、電車を一つ遅らせた。時間的な余裕があまりない。それでもニットの帽子よりはと思い、スポーツ店のブースでキャップを購入。夜のジョグに備え、キャップにマメ球とボタン電池が組み込まれており、ボタンを押すと帽子が光る優れもの。だけど、ボタンを押しても光らない。

 「使い方を教えてください」店員さんがしばらくキャップを調べていたが「ほかのキャップと変えさせてください。こちらは光っています」

 時間が無くなったが、大急ぎで軽食を取る。十キロの部は十二時スタート。エネルギー切れ、低血糖が怖い私には大切。

 集合場所に行く。私はC組だが、Cのプラカードを持った係員がない。まあいいや。後ろの方からスタートすれば苦情を言う人はいないだろうと思い後部に整列。

 定刻十二時にスタート。最初は流れに任せて走ることが大切。集団がばらけるまでは自重し、ばらけたら自分のペースで。後部からのスタートなので、少しずつ抜いて前方に上がり始める。

 途中、前方から折り返してキロを走るランナーの集団出くわす。皆さんC組のゼッケン。「えっ、どうしたのかな」私のゼッケンを見つめなおすと「Cハーフマラソンの部」と記してある。「なんで」

 インターネットで申し込んだので、おそらくクリックする箇所を間違えたのだろう。それにしても、なぜ今まで気づかなかったのだろう。ゼッケンナンバーのはがきが来た時、今朝受付をしてゼッケンと参加賞をいただくとき、冷静であればすぐに気が付くはず。まあいいや。今更どうしよう。十キロの部を楽しんで走るだけ。気持ちの切り替えだ。

 ただし、この大会はチップによる計測。パソコンでナンバーを入力した時、どうなるのかな。大会役員様、思い込みの強い私、ミスに気付かず申し訳ありません。

 気持ちよくゴール。大時計で測ると昨年より二分くらい早い。へー六十歳を超えているのに昨年より速いなんてすごい。もしかして、昨日の「がん治っちゃったよ、全員集合イン福山」で元気をもらったのかな。それにいつも応援メールをくれる同僚のSさん。今回メールはないが、金曜日帰宅時に「マラソンがんばってください」と言いながら、ジョグの格好で微笑んでくれた。みんなに元気をもらっているのだよな。そして胃を全摘している私が走ったことを報告すると「元気をもらいました」というがん患者さん。好循環だ。

 完走後はチャリティフードショップへ。ここでは主催者日本ハムの食品を使ったメニューがずらり。今日は良質なたんぱくをということでチャックリブの焼き肉をいただく。 

 帰途は高速バスで福山まで、そして福塩線で高木駅へ。高木駅から我が家は徒歩五分。駅を降りると小走り。「えっ!」妻が車で迎えに来ていたのを無視しての小走り。「疲れているかもしれないし、一人で打ち上げはさみしいだろう」と迎えに来てくれていた。気づかずに申し訳ないが、そのまま徒歩で我が家へ。遅れて帰った妻が刺身の盛り合わせを作ってくれたので、神戸で買った灘の酒と合わせ打ち上げを。妻には申し訳ない。

 いやー、今日もいろいろミスしたな。こんなにミスする私が六十余年、生きてきたのは我ながら立派といってもいいのかな。もちろん周りの人の支援があればこそではあるが。

 今日もハラハラドキドキ、そして楽しく過ごせて感謝。