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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

    貴重なアドバイス(2016年11月27日)   皿海英幸

 「皿海さんは人前で自分の失敗談を話したら、ほかの職員さんもホッとして話しやすくなるのでは」これは職場の同僚Sさんの私へのアドバイス。先日いただいた。Sさんとは年齢で言えば親子ほどの差があるが、私に色々気づかせてくれるし、アドバイスをしてもらえる貴重な存在。できるだけ受け入れるように心がけているのだが、今回のアドバイスは意図がわかりにくく、戸惑うというか、霞がかかったような状態が続いている。

そこで、記すことで整理ができたらと思う。まず、私はしょっちゅう失敗や、「ついうっかり」をよくやるので、口に出して言う必要があるのか。ほかの職員さんは知っていると思う。それと、私は話しかけにくい雰囲気を持っているのだろうか。
一人で考え込んでもわからないので、まずは最近の失敗について記すことにしよう。

・朝、職場へ行き、カバンから荷物を取り出して「あっ!忘れ物がある。今からダッシュで帰れば八時には間に合うな」ということはしょっちゅう。職場が近くてよかった。ちなみに忘れ物とはメガネ、筆箱等。この件についてはSさんと勤務時間が違うのでどこまで知っているか。

・高齢の両親がいる私は、定時になるとダッシュで帰ることが多いのだが、これもリフレの門あたりに来ると「あっ、忘れ物」と言い、職場に引き返すことが多い。こちらは弁当箱、ファイル、補食等。「なかなか一度で帰れないね」と言われる。ただしこのことも勤務時間の関係でSさんは知らないだろう。

・リフレ清掃時、硝子戸のレールが汚れていたので、レールを拭こうと思い、硝子戸をあける。外は風が吹いており、落ち葉やごみが掃除したばかりの室内へ入った。やれやれ、もう一度掃除をしなくちゃあ。

・先日ニコニコ会の行事に行ってきた。見たような人がいたが、名札で確認し「もしかして府中に来ておられたNさんですか」と問うと、「そうですよ」「久しぶりだからすぐにはわかりませんでした」「私はすぐに皿海さんと分かりましたよ」

せっかくだからコロッケ二個、メンチカツ二個を買う。「これがほんとのニコニコ会(二個・二個買い)というが、周りの人は苦笑い。滑ったな。

 このように、私は失敗例が多々ある。家に帰っても「父さんはいつも忘れ物をしているみたい。認知症が始まったのかな」「父さんとはなかなか話がかみ合わない。もしかしてアスペルガーかもしれないね」と言われる始末。あえて失敗談を話す必要性があるのか。どう考えても私は失敗の少ない立派な人と思っている人はいない。

もしかして、よく失敗するがゆえに目に見えない鎧、あるいは防弾チョッキを知らない間に身に着け、見る角度によってはそれが目立つということか。
もう一つの「話しかけにくい雰囲気」の持ち主か。これについては「がんになってからずいぶん明るくなったね」と言われることが多いのだが、どうだろう。ただ、ひそひそ話などで代表される裏情報が回ってくることはほとんどない。

私はコンプレックスが多い。だから「原則に忠実に」という思いが強い。一つ崩すとどこまで崩れるかわからない」と思っている。そのあたりで「臨機応変ができない教条的な人」となり、「ちょっと、とっつきにくい」となるのかもしれない。

もしくは「ちょっと声をかけたら『貴重なアドバイス』と言った文章を記すなんて。気軽に声をかけにくいな」と思われるのかもしれない。

ただ、これに懲りず、Sさんには引き続きアドバイスしてほしい。もちろんほかの人も。アドバイスがあるということは、「聞く耳を持っている」「変われる余地がある」ということだから。

今回の件、Sさんにアドバイスをいただいて、しばらくたったので、「時機を逸したかな」という思いで本人に確認できていないが、案外「そんなことを考えていたのですか。私が言いたかったのは○○です」と笑って答えてもらえるかもしれない。

ところで、私が文章化するのはその方が頭を整理しやすいことと同時に楽しんでいるということでもあるのです。