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postheadericon 愛しのサツマイモ(2016年11月17日)

2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

    愛しのサツマイモ(2016年11月17日)   皿海英幸

 「まったく困ったな。どうにかならないかな。異常気象だと言っても草は伸び放題。草を刈るためだけにたびたび来なければならない」父が畑仕事をしなくなってから久しい。草を生えるに任せていては畑の近所の家に迷惑がかかる。やれやれ、何も植えていない畑に草刈のために何度も来なければならないなんて。

 「えっ!何も植えていない」そうか、何か植えたら畑に来るのが楽しみになるかもしれない。ということで、「よく弦が延び、葉がたくさん出ると草抑えになる」と聞いたことがあるかぼちゃとサツマイモを植えよう。

 五月の連休に草を刈り、耕運し、サツマイモを植える。最近試し掘りをすると、思いのほかよくできている。赤みを帯びたきれいな紫の皮。中は黄色っぽいしろ。おいしそうであり上出来。

 「父さん、ジャガイモはレパートリーが広いけれど、サツマイモとなると調理法がちょっとね」と妻。収穫を二人で喜ぶことができないなんて。

 そうだ、知り合いのMさんが「うちはカレーにじゃがいもではなく、サツマイモを入れます。ほんのり甘くておいしいですよ」と以前言っていたことを思い出す。Ⅿさんに再度作り方を確認し、私が作ってみる。

 「えっ!」しっかり煮込んでふたを開けるとサツマイモはとろけており形がはっきりしない。味見をすると「うん、自然な甘みがおいしいぞ」ほかの材料は豚肉・玉ネギ・人参とほとんど普通のカレーと変わらない。Ⅿさんは三人の子どもがいる。まだ小さいので辛いカレーより甘いカレー、それも野菜を煮込むことによって出てくるやさしい甘さが喜ばれるということだろう。

 私の料理に、「父さんの創作料理は食べたくない。基本のレシピに忠実な料理が食べたい」と娘は常々言っている。家にあるものでかってに代用する私の料理を好まない。カレーで言えば「肉とジャガイモ、玉ねぎにニンジンのみ、ほかのものは入れるな」という考え。

「夏野菜カレーとかシーフードカレーがあるじゃない」と言っても認めてくれない。今回も他の家族にはおおむね好評だったが娘は食べてくれなかった。

 そして今回もう一品教えてもらった。Ⅿさん「私、サツマイモサラダを作っているのですよ」「へー、サツマイモの他に何を入れるの」「キュウリやキャベツですね」「それにゆで卵を入れるといいよね」「それもおいしいでしょうが、私は魚肉ソーセージにこだわっていて、それは必ず入れるの」「そうなのだ。今度作ってみる。教えてくれてありがとう。私が初めて植えて掘ったサツマイモ、少しだけれどもらってね」

 比較的簡単にできておいしそうなので作ってみることに。まずはサツマイモを洗う。たわしでごしごし洗うと皮がほとんどとれるので、手で丁寧に汚れだけを落とすように洗う。せっかくだからきれいな赤紫を生かしたい。食べやすい大きさに切り、湯がく。粗熱を取るとキャベツとキュウリを切って加える。

 「どうしよう」魚肉ソーセージだが、そのまま切って入れようか、それとも火を通した方が良いのか。「うーん、一回で無くなればそのままでもいいが、念のため火を通すことにしよう。レンジでチンすれば早いが、ここは小さく切ったものをフライパンで軽く痛めて先ほどの野菜に入れる。塩コショウをふりかけ、マヨネーズ。そして私流だが、隠し味に胡麻ドレッシング少々。それらを混ぜ合わせると出来上がり。

白い皿に盛りつける。色目よし。「うん、おいしい」味も良い。自画自賛。デジカメで写真を撮る。お礼の意味を込め、画像をⅯさんに見てもらおう。家族の感想も添えて。

「これ、甘みがあっておいしいね。ジャガイモとは違う歯ごたえも楽しめるし」思いのほか、母が喜んでくれた。そして、ご飯を減らしてまでサツマイモサラダを食べてくれた。まあ炭水化物たっぷりだからいいか。最近、歳のせいか食がだんだん細くなりつつある母がこれだけ喜んでくれたのは収穫。

よし、Ⅿさんに色々料理を教えてもらったり、インターネットで調べたりして、冬の寒さに備えサツマイモ料理を楽しむぞ。