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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

   初めてのイベントに参加して(2016年10月23日)   皿海英幸

 「何人ぐらいの人が来るかな。実行委員長のブログでは『体験談会参加者は予約を』と記してあるが、まだ予約も問い合わせも無いようだし」府中市民によるイベント「素敵な女性でいたいから 女性健康応援&がん検診啓発」が十月十六日恋しきで行われる。私はがん体験談会担当の実行委員。広島・岡山等遠方でがん体験を話したことはあるが、地元府中市では初めてだけにぜひ成功させたい。

 「もし、参加者が少なかったら、府中に素敵な女性はいないということになるのかな。いやいやそれは失礼、府中には奥ゆかしい女性が多いと思うことにしよう」「何人来ようと全力で思いを伝えよう。そのために準備はしっかり」と思いつつ過ごす日々。

 当日の朝、電車で府中駅に行き、そこから徒歩で会場に。集合時間八時より早いのだが、すでに準備は進んでいる。「女性ためのイベント」貴重な男性として準備にかかわろうと思ってきたが、思ったより男性が多い。竹本さん(実行委員長)の人脈か、人望か。駐車場のテント設営をすますと、がん体験談会会場の離れ八畳間へ。一緒に体験を語るNさんと会場の掃除や準備を行う。由緒ある建物ではあるが、電気をつけても照明が少し暗い様である。これも落ち着いた雰囲気で進行できるかもしれないととらえよう。

 ここではがん体験と共に物品販売も行う。医療用帽子・医療用ブラジャー。そしてウィッグの展示。これらはボランティアが担当するが、その中の一人は職場の同僚Sさん。「祖母が抗がん剤の治療をするので頭髪が抜けることを心配していますが」と相談があり、私が竹本さんを紹介したところ、「とてもよくしてくださったので、今回何かお手伝いができたら」と実行委員に名を連ねてくれた。「皿海さんの体験も聞いてみたい」という希望もあり、同室でボランティアということに。知人が近くにいると私も心強い。

 「Sさん、この帽子ちょうだい」nikoの帽子を二個買う。一つはSさんのように私が相談を受けたり、がんの行事に参加した際「竹本さんはこんな帽子を作っているのですよ」と紹介したりするため。もう一つは私がかぶるため。

 「あっ!ありがとう」知人のYさんが聞きに来てくださった。「皿海さん、あなたの体験談を聞きたいのだけど、遠方が多いわね。近くでするときはぜひ行くから教えて」と常々言われていたので、今回のイベントの案内をした。本当に来てくれるなんて。感激というかうれしさで胸がいっぱい。話し始める前から充実感。

 さて、定刻となり、がん体験の発表。いつもは患者会あるいは看護学生を相手に話しているので「がんの基本的な部分はわかっているだろう」という前提で話す。今回は市民向けイベント。「腹膜播種したスキルス胃がんです」と言っても「腹膜播種とは何?」「スキルスとは?」と思う人がいるかも知れない。その件についても説明していると、十五分の範囲で一番訴えたいことを話すのはなかなか難しい。どこまで説明し、何を訴えるか、要領よくまとめる必要あり。

 いつものように、「五年生存率、余命宣告の数字を告げられた人。それは過去の統計に基づくものであり、必ずあなたに当てはまるとは限らない。諦めないで」という話をする。

 そして今回は「がん検診啓発イベント」なので付け加える。「もし私ががん検診を定期的に受けていたら腹膜播種に至る前に見つかったかもしれない。感動してもらえるエピソードは無く、平凡な治療、平凡な人生を過ごしていたかもしれない。それはそれでとてもいいこと。がん検診を受けましょう」と訴えて終わる。

 相手のNさんはがん体験者スピーカー養成講座を受講し、資格を得ている人。まとまった話を要領良くされた。一方私は自分の思いを重視しての訴え。彼女の感想が気になるところだが、「力強い話、もう少し聞きたかったです。いろいろ勉強させてもらいました。これからもご指導よろしくお願いします」と言われ、うれしかった。また何かの機会にご一緒できたらと思います。

 読売ニュース速報の方が取材されている。「写真を撮るのならネクタイが見えるようにお願い。このネクタイは『父さんががん体験を話す時はこのネクタイで』と妻と娘で選んでプレゼントしてくれたもの」と言っておいたのだが・・。

 さて、体験談終了後は庭へ出て他のコーナーを回る。リレーフォーライフであいさつしておいた足もみ隊の石川さん、とても忙しそう。マラソンシーズンに合わせ、しっかり足裏をもんでもらいたかったのですが。

 筆文字書家Eさん、「あなたを見て元気になれるメッセージを筆文字で」とある。色紙にお願いする。色紙に独特の書体で「英幸の苦悩が誰かの勇気になり、英幸の努力が誰かの希望になる。だからいつも挑み続けて」と書いていただいた。

 私はコンプレックスが多く、いつも迷い・悩みながら生真面目に生きているような気がする。だけど今回の文章を読み、私が悩み苦悩することが誰かの勇気・希望になるのならそれも良いとしよう。

 ところで、かつてリレーフォーライフで東広島の方に書いていただいたときは「苦しみを幸せに変え、痛みを信じていく力に変えていく英幸の魂がたくさんの人の命を救う」と書いていただいた。今回の書と似たようなものを感じます。私の名前でしょうか、それとも持っている雰囲気がそうさせるのでしょうか。

 「開運未来流手相リーディング」「はずき式数秘術」というコーナーもあり、魅力的な女性の先生が担当されている。だけど私は自分の未来が見えたら自助努力を怠るような気がするので、こういったコーナーはちょっと苦手。

 呼吸法のコーナー、ここは時間があればぜひお邪魔したいと思っていたが、時間的に難しかった。自身、西野式呼吸法を学んでいた時期があり、また最近職場や家庭で息苦しさを感じることがあるので何か参考になればと思っていました。

 ところで、今回のイベント、私が思っていた以上にたくさんの方が会場に足を運んでくださった。企画が良かったのか、会場が良かったのでしょうか。

「大切にする」コーナー担当者としての感想としては、がんの治療中あるいは高齢者の方を考えた時飛び石のある庭、和室での体験会、足元に対する配慮が必要かなという気がしました。
例えば「府中市保健福祉総合センター」「公民館」等風情は望めないにしても、バリアフリーに配慮した建物でという考え方もあるだろう。次回開催の際は実行委員それぞれの立場で検討する必要があるかなと感じました。

 何はともかく、行政ではなく、ただの市民で実行委員会を作り、「女性健康応援&がん検診啓発」のイベント、大成功。早くから取り組んでおられた竹本さんをはじめ、スタッフの皆様の努力には全く頭が下がります。そして、私に声をかけてくださったこと、とてもありがたく思っています。感謝!

 片付けが終わると、場所を変えて打ち上げ。手ごろな会費で行われたけど、盛り上がりましたね。たくさんの方とあいさつを交わし、名刺をいただきました。今日のためにと時間をかけて作った名刺、忘れてきたことが悔やまれるけれど、こういうドジをするのが私らしいと思うほかない。

 「今日はとても楽しかった。もう少し余韻に浸っていたい」と思い、帰りは電車でなく、徒歩でゆっくり帰りました。