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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

    十周年記念Tシャツ(2016年9月29日)   皿海英幸

 胃がんの全摘手術に際し、知人がTシャツに激励の言葉を記し、応援Tシャツとして送ってくれた。これには非常にうれしく、心強く思うと同時に、病院スタッフにも評判が良かった。

 「ちょっと見せてください。いいよね。こういうのがあると元気が出ますね」「治療効果が上がるでしょうね」私の担当ではないスタッフものぞいて下さった。

 「そうだ、術後十周年を記念して、今回も応援Tシャツを作ろう」

 私と妻で生地の真ん中に「スキルス胃がん 術後十年を生きる」と書く。寄せ書きはがん関係の人が良いと思い、RFL尾道の会場へ持参。実行委の仕事の邪魔にならないよう、夜間あるいは早朝にサインをしていただく。現在、背面はほぼ埋まった。

 「意外だな」今メッセージを読んでいくと「笑顔」という字が入ったメッセージが意外に多くて目立っている。「自分は不愛想・不器用が特徴と思っているのだが」本当に笑顔が魅力であるならば、開腹手術の際、胃だけではなく、自分の腹黒いところも摘出してもらったのだと思っているからだろうか。

 でも「私から、腹黒い部分を取ったとしたら、私が私で無くなる」と言った看護師がいた。正直な人だな。

 先日のこと。「RFLに協力してくれてありがとう。あなたにもサインしてほしい」と身近な人ががんだという知人にお願いする。気持ちよく引き受けてくれる。

 「私、皿海さんのエッセイで『RFLを象徴する色は紫』と呼んだので、紫のマジックで書いています」「…!」感動で言葉が出ない。この人が私のエッセイの読者でよかった。この人にサインを頼んでよかった。

 これからの十年、どんな人生が待っているかわからない。でもこのTシャツを見るときっと「丁寧に、粘り強く生きていこう」と思うのでは。よし、頑張るぞ!