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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

     お盆の入りに(2016年8月14日)   皿海英幸

 「盆踊りとがん体験の講演、どこか似たとこがあるように思う」八月十三日、広谷町の盆踊り大会に参加し、踊りながら思った。

 まずは出だしに注意。盆踊りは同じ動作の繰り返しにより成り立っているものが多い。出だしさえ間違えなければ、自然と体が動き始める。練習も含め、年に二~三回のことではあるが、青年団のころからの参加なので、スイッチがうまく入れば大丈夫。なまじ前方の人を見て合わそうと思いながら踊ると間違えることがある。

 講演も出だしがうまくいけばというか、自己紹介で笑いが取れればうまくいくというジンクスがある。皿海という珍名なので、府中・福山圏を出ると「どうお読みするのですか」となる。それを逆手に取り、笑いに変える。

 もう一点は本番に強いということ。踊りの練習、Tシャツに半ズボンではくだけすぎているからか。暑くても浴衣をきっちり着込んだ方が、体も反応するということ。

 「がんの講演に行くときは、このネクタイで行ってね」妻と娘で選んだ黒い水玉模様のネクタイがある。もう一点は夏用にと思い、講演の講師料で買った淡い緑のネクタイ。いずれにしても、暑くてもシャツにネクタイを締めるとピリッとせざるを得ない気分。

 講演前には資料としてメモを用意するのだが、それに頼りすぎると原稿の棒読みみたいになり、説得力がいまいちとなる。自分を信じ、流れに任せるようにしゃべる方がうまく行く。やはり本番は違う。そして、メモは主催者に「今日話したかったことはこれです」と提出して帰る。

 町内の盆踊りと言えば、「町民の親睦と、物故者をしのぶ」という趣旨で開催されるところがほとんどであろう。休憩時間、久しぶりに会った友人知人に挨拶をしながらビールを少し飲む。胃の手術依頼、炭酸系は苦手なので、「ぐびぐび」とはいかない。アルコールといえば焼酎をなめるように少しずつ飲むのが飲みやすくて好き。振る舞い酒なのでぜいたくは言えないが。

 物故者といえば、母の兄、妻の父が今年になって亡くなられた。今夜は偲びながら踊っている。初盆ということで、明日は仏さん参りをしようかと思う。

 ところで、盆踊りの趣旨だが、私独自としてだが、「ストレッチ運動」というのがある。普段使わない筋肉を踊りの動作で使い、体をほぐすことにより、今までの疲れもほぐしていく。そのため、踊りの動作を少し大きめにすることが大切。私は筋肉が固いので(性格はもっと固いけど)このことは大切。

 六十代になると疲れやすさを今まで以上に感じることがあるだけに、心と体の柔軟性(しなやかさ)は大切なものとなる。走り込みの秋に向け、夏の終わりに体をほぐしておきたい。

 さて、今月末になると、スキルス胃がん術後十年になる。手術前に盆踊りに参加した時、「顔色悪いね」「体調悪そう」と声をかけられ、心配してもらった。私自身は「外見でわかるかな、まして日が落ちて提灯の灯りなのに」とも思ったが、心配をしていただいたのは事実。

 それだけに、今回、元気に踊り、飲みながら話すところを見てもらえたのではとホッとするところがある。ただ、娘はレストランでバイトのため、時間的に盆踊りに参加できない。踊りが大好きで親子で参加していただけに残念ではあるがバイトなのでしょうがない。

 今年のお楽しみ抽選会では残念賞でティッシュの箱をいただいた。リフレ清掃担当だからでもあるまいが、過去にはごみ箱を三年連続していただいたことがある。「ゴミ箱ならもういいや」と言っていたのが影響したかな。まあ、くじ運はこういうところで使わず、マラソンの申し込みのために取っておくのだと思えばいいかな。久しぶりに夜更かししたぞ。今夜の就寝は十一時かな。