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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

   「お久しぶりです」(2016年7月26日)   皿海英幸

 この春から両親が体調をくずしていたこともあり、「びんご生と死を考える会」の行事はご無沙汰していた。
「父の入院中ではあるが、今回だけは参加だよな」

 七月二十三日福山すこやかセンターで行われる講演会は「がん難民を激増させるがん標準治療の構造的欠陥~闘病者は何をなすべきか~」講師 伊丹仁郎すばるクリニック院長。びんご生と死を考える会二十五周年、生きがい療法ユニオン五年の記念事業として開催される。私はどちらの団体にも治療中以来お世話になっている。それに八月に生きがいユニオンと看護学校による研修会でがん体験を発表することにもなっている。

 「お久しぶりです。今日はよろしくお願いします」午後一時過ぎ、会場に入り、生と死を考える会のなじみの人とあいさつをする。「お元気そうですね」久しぶりだが、すぐに距離感が縮み、すっかり打ち解ける。直接お会いするのは久しぶりだが、六月十八日発行の会報に「がんと就労」と題するエッセイが投稿という形で載っているのも影響しているのかもしれない。

 しばらくすると「すばるクリニック」スタッフの皆さんが来られる。「お世話になります。八月の研修会ではよろしく」「お久しぶりですが元気そうね」今日の資料を整理しながら受付をお手伝いする。

 さて、それでは伊丹先生の講演で、印象に残った部分を取り上げてみたい。

 乳がん標準治療の欠陥 手術日だが、大安日・仏滅日が選択されていない。乳製品禁忌・大豆イソフラボン推奨が行われていない。

 大安・仏滅は暦上の物ではない。生理周期の黄体期に手術をすると十年生存率が大幅によくなると言われている。これはナチュラルキラー細胞(NK細胞)が活性化する時期だから。

 手術室あるいはベッドの空き状況にもよるだろうから、手術日は患者が選べないと思っている人が多いのではないか。

 「皿海さん、抗がん剤が良く聞いているので、手術できるようになりました。六月にやりましょう」と主治医に言われたが「六月に手術し、八月退院では帰ってからが暑すぎる。夏の終わりに手術し、秋に退院というのはどうでしょう」と提案したところ、八月末手術ということになった。手術日、患者側からも提案し、話し合いで決めるのが良いと思う。特に十年生存率が大幅によくなるのなら、絶対提案ですよね。

 それと、乳がん患者さんは乳製品をできれば避けるもの。これも食品業界から圧力がかかるのか、なかなか医師は積極的に口にしない。

 自宅でできるNK細胞増強法 ①湯たんぽ療法 湯たんぽで体のお腹、お尻、太もも、二の腕を各十分ずつ温める。②十五分入浴法 十五分入浴すると深部体温が一度上昇し、NK細胞が増強される。③二十分間腹式呼吸法 食後二時間後にあおむけになり、二十分間腹式呼吸を実行。

 どれもお金がかからないし、特別な道具・機械が必要というわけでもない。試してみる価値がある。ただし、私なら④として「お笑い番組を見てよく笑う」というのも記しておきたい。

 標準治療では、がん治療効果を大幅に高める精神腫瘍学的治療が全く行われていません。

 これは大切なこと。私自身、治療中に「心の持ちようががんの治療に大きく影響する」と感じた。だからこそ、生と死を考える会あるいは生きがい療法実践会(当時)に出向き、同じがん患者と交流することを大切にした。また、生きがいあるいは目標をもって生きることの大切さを感じた。
 紙面の関係で詳しく書けないが、人生最大の危機、胃の全摘手術後に起こった腸閉そくを乗り越えられたのも生きがい療法の手法によるところが大きいと思った。

 「今日はありがとうございました。八月にもよろしくお願いします」とあいさつすると、「看護学生を相手の発表、頑張ってね」「術後十周年おめでとう。次に会うときはお祝いをしよう」と両方の団体の顔なじみさんから声がかかる。幸せなやつだな。丁寧に、そして大切に生きていきたい。