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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

   おのろけ合戦(2016年6月23日)   皿海英幸

 先日、旭公民館で行われた落語「旭寄席」に行ってきました。生で聞く落語はとても楽しく、大いに笑い、免疫力がかなりアップしたのではと思っています。

 翌日の昼食後、参加したSさんと思いだしながら話をしました。その一端を紹介します。

 「Sさん、昨日『女の子の顔は、ほとんどの場合お父さんに似る』と言っていましたよね。私、あなたの旦那さんに会ったことはないのですが、娘さんの顔からすればかなりイケメンなのでしょうね。娘さんはきっと美人になると思いますよ」と私。

 「ありがとうございます。うちの旦那は私の顔に似ているのですよ。夫婦は顔が似てくると言いますよね」とSさん。私の前でおのろけだな。おのろけなら負けないぞ。

 「好きあっている夫婦はだんだん顔が似てくると言います。いい夫婦ですね。ところで、私たち夫婦も顔が似ているのですよ。ですから妻は結婚して以来、きれいになる一方ですよ」

 「あっはは。いいですね」さらに追い打ちをかける。

 「このネタは、家に帰ったら絶対しゃべらないと思います。職場で、あなたにだけしゃべることにします」
「あっははは、ありがとうございます」

 この勝負、おそらく私の勝ちでしょう。でも、私より三十歳も若いSさん、よく私の前でのろけ始めましたね。よほど家庭内がうまくいっているのでしょうね。


  母さんごめん

 「じいちゃんが入院以来、病院へ通ったり、家事をしたりで、週末くらいしかジョグをしていないから、フルマラソンはダメだと思うけれど、十キロなら何とかなると思う。例年参加している十二月の青太マラソン(宮崎市)、今年は十キロの部に参加してもいいかな。このまま全く出場を取りやめるというのもしっくりこないし。たった十キロのために宮崎まで行くのはもったいないと思うかな」妻に相談した。

 「じいちゃんがねー。私一人では面倒見きれないからね。施設に入っていればそれはそれなのだけど」

 「治療を受けるための入院だよ。治療を受け、以前のように元気になって帰ってくるという前提で考えてみたら。ケアマネさんも『今から悪い方向で考えなくても』と言っていることだし」

「そう思いたいけど、年齢的なこともあるからいいことばかり考えるというわけにはいかないわ」

「わかった。じゃあ大会に申し込むのはやめて、当日どこかたとえば神戸とか京都へ行ってジョグを楽しむことにするよ」

「ありがとう」

インターネットによる申し込み開始の六月二十二日二十時、そわそわして落ち着かない。どういう状態か見てみたいと思い、「青太マラソン」ホームページを開き、申し込みをクリック。「ランネット」による申し込みだが、私は会員なので手続きは比較的簡単。

でも「ただいまアクセスが集中しておりますのでしばらくお待ちください」の表示が出る。「やはりね、先着順の受付だからみんな二十時になると一斉にクリックしたのだよね」

十分たっても表示は変わらず。「うーん、マラソン人気がすごいとはいえ大変だな。ここまでして申し込まなくても他の人に譲ろうか」言葉とは裏腹に、パソコンを切らず、そのままの状態に。

三十分が過ぎたころ、ランネットの申し込み画面が現れる。まだ定員を満たしていない。「よっしゃ、この機を逃すことはないぞ」妻との会話を忘れ、十キロの部に申し込み。スムーズに手続き完了。

にっちもさっちもいかないようなら申込金五千円がパーなっても不参加はもちろん。でも、じいちゃんの状態はきっとよくなると信じることも大切。そして介護する人も時には気分転換が必要。「青太マラソン」は一年間誠実に前向きに生きてきた年に一度のごほうびという面がある。今まで二泊していたのを土曜日だけの一泊旅行にするのだし、母さん許して。「青太マラソン」に行けるのだと思えば、毎日の生活に張りが生まれるから、家事に介護に頑張ります。