2009メインメニュー

postheadericon ばら祭りにて

2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

    ばら祭りにて(2016年5月16日)   皿海英幸

 「天気もいいし、福山市制百周年記念だし、今年は参加者が多いかもしれないな」と思いつつ我が家を出る。

五月十四日と十五日は福山ばら祭り。私は数年前から「福山乳がん患者会アンダンテ」のブースのお手伝いをしている。

 福山駅までは福塩線で行き、そこからはメーン会場(緑町公園)直通バスに乗る。長蛇の列ができており、乗るのに時間がかかるかと思ったが、結構スムーズだ。

 「おはようございます。よろしくお願いします」「おはようございます。いらっしゃい」「今年も来てくれたのね。あなたの元気な姿を見ると私も元気が出る」アンダンテのブースにつくとさっそく歓迎してくださった。まずはエネルギー切れにならぬよう捕食。パン半分をゆっくり食べお茶を飲む。

 「今年はこれを配りながらの声掛けですね」と言いながら「乳がん検診に行きましょう」と書かれたカットバンの入った小箱を持つ。「暑さにやられたらいけないので休みながらお願い」「休憩を取って、ほかのブースを見て楽しんでもいいから」「わかりました。了解です」

 「乳がんモデルをつかって、乳がんの説明を行っています。乳がんモデルに触れてみませんか。自己触診で早期発見を」と言いながらカットバンを渡す。今年は反応が良い。ブースの乳がんモデルには人が切れることなく集っている。

カットバンを受け取る人は「そうなのですか、寄ってみよう」ちょっとためらっている人には「説明を受けられますとカープ丸選手のクリアファイル(もみじ銀行提供)がもらえますよ」「ほしいな。寄っていこう」

 成人の二人に一人ががんになると言われている。自分があるいは身近な人ががんだという人は珍しくない時代。がん検診への関心は年々高まっているように感じられる。そうした中で乳がん体験者あるは看護師が直接説明するというのは良い企画。

 「私、先週がん検診を受けたばかりなのよ」「そうですか、ありがとうございます」うーん、「がん検診は年に一度。自己触診を習って毎月自己検診をしたらどうですか」と言えばよかったのかな。すぐには思いつかないな。

 「私は男だから関係ないな」「少数ではありますが、男性も乳がんになる人はいます。まったく関係ないとは言えません。それに、時には奥様の健康を気にしてあげてください」「えー、そうなのですか」

 以前女性ばかりでブースを運営していたときは、カップルあるいは家族ずれに声をかけると、男性が恥ずかしがって立ち去ろうとするから、関心ある女性も説明を聞けないということがあった。そこで私にも声がかかるようになった。男性もいるブースだと乳がんモデルを前にしてもそこまでは恥ずかしくないということ。

 ブースで休憩していると看護師に聞かれた。「男性のあなたがなぜ乳がんの啓発活動に熱心に取り組んでおられるのですか?」

「アンダンテの方とがんの行事を通して知り合い、親しくなりました。リレーフォーライフへ参加されたことはありますか」「ええ、ありますけど」「私、毎年ルミナリエステージでスピーチをしています。

背中に『スキルス胃がんに負けないぞ』というゼッケンを貼って歩いているのを見たことないですかね」「ああーそうなのだ」

アンダンテさんの総会で体験発表の機会をいただいたことがある「すごい体験ですね、あなたは生きているだけで価値がある」「あなたに合うと私も元気になる」と言ってくださる人たちと一緒に行動すると私こそ元気になるし、「生きていてよかった」と思うことができる。ありがたいことである。

 ところで休憩中、ひまわりさんのブースで血流検査を受ける。私の血流は「スワン型」で「心臓から送り出す血液、末しょう循環のバランスが取れた正常な血液の流れ」また「・血管の柔らかさ、・心臓のポンプ力、・末しょうまで血液が通っているか」、これらの数値がすべて正常範囲内。できすぎのような気がする。それとも習慣的にジョギングを楽しんでいるからかな。

 ところで府中市においても「福祉&健康祭り」で乳がんモデル並びに乳がんの説明書は展示されている。ただ展示のみで患者あるいは医療関係者が呼びかけたり説明したりがないのでそこで立ち止まり、モデルに触れる人がほとんどいない。残念でもありもったいない。

 蒸し暑い日ではあったが、たくさんの元気をもらい、充実した休日を過ごすことができた。明日のワックス清掃、がんばるぞ。