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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

   ルミナリエセレモニーで言っちゃった (2015年9月8日)  皿海英幸

 「えっ!今のタイミングでなんだろう」9月5日リレーフォーライフ(RFL)オープニング一斉行進が始まろうとしているとき、私を手招きしている人がいる。急いでいくと「皿海さん、サバイバーズフラッグをもって先頭を行進してください」と言われた。問答している時間はないので整列されている二人の実行委員とともにフラッグを持ち、歩き始める。ゲートを通ったあたりで取材中の新聞社のカメラに写される。「名もなく貧しく美しく」をモットーに生きているつもりなのだけど。

 サバイバーズフラッグ1枚目は完成し、こうして行進に使っているが、2枚目はいまだ未完成。私の担当はフラッグ作成だが、もう少し行進を楽しもう。

 「皿海さんですね。エッセイ楽しく読んでいますよ」「いつもエッセイをありがとう。元気をもらっています」歩いている人に声をかけていただく。私には初対面の人だけど、背中に「スキルス胃がんに負けないぞ」と記したゼッケン着用なのでほかの人には皿海だとわかる。RFL広島ホームページの「がん友のエッセイ」読者が多いようでうれしくなってくる。

 さて、18時からはルミナリエセレモニー開始。今回は15時開会なので、「すぐにやってきたな」という気がする。近づくにつれ、胸がドキドキ。セレモニーで体験発表するのは今回で7回目だが、何回やっても緊張の時間がある。浜中先生に続き、2人目の発表。

 まずは8月28日、術後9年目を無事に迎えられたことを報告。その間、職場復帰・フルマラソン5回完走を紹介。こうした結果から余命宣告・5年生存率といった数字を告げられても、あきらめず希望をもって生きることが大切と訴える。ちなみに私は余命3カ月、五年生存率10%を少し超えるくらいと告げられたことあり。

 予定原稿にはなかったが、「皆さん、来年のRFLにも参加してください。私の術後10年の記念を一緒にお祝いをしてください」と締めくくった。たくさんの笑いと拍手をいただいた。もしかして失笑も混じっていたかな。「ケーキを用意しておくね」という声も聞こえた。

 セレモニーが無事終了し、県北がん患者の方たちと夕食を取ることに。「スピーチ、良かったよ。来年も会おうね」「術後10年をたくさんの人に祝ってもらえそうね」

気をよくしていたらもうひと声。「たくさんの人に祝ってもらったら、お返しが大変じゃない。どうするの」えっ!そうか、そこまでは考えていなかった。

 スピーチの内容を事前にメモし、家族に見てもらったら、「当たり前の内容というか、単調ね」と評価が芳しくなかったので、締めくくりにユーモアを入れ、笑ってもらおうと思って付け加えただけなのだけど。

 「皿海さんが元気で生きているとほかのがん患者も元気がもらえる。明るく元気で生きていることがお返しじゃあないかと思う」という発言。ほっとすると同時にとてもうれしい。県北がん患者の方たちは遠慮のない発言をしながらまとめ方もうまいや。最近ご無沙汰しているが、気持ちはつながっている。また機会を作って三次中央病院へ遊びに行きたいな。

 「ハートネットテレビにコラムが載った人ですよね。背中のゼッケンを見て声をかけました」歩き始めると声をかけられた。進行したスキルス胃がんの知人がいるといわれた。「皿海さんの例があるから希望をもって治療しようねと声をかけたら明るさを取り戻した」と言われた。それからいろいろスキルス胃がんについて話し込んだ。本人の思いもしっかり聞かせていただいた。

 「皿海さんはスキルス胃がんの患者から見れば奇跡の人。どうぞ元気で生き抜いて下さい」これだけ評価されたら「ありがとうございます。私にできることがありましたら喜んで協力させていただきます」と言わざるを得ない。

ルミナリエセレモニーの際、馬庭委員長は「皿海さんは第1回から連続参加。皆勤賞です」とおっしゃったが、今回もいろいろな出会いがあった。これだからRFLはやめられない。