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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

    掲載されました       皿海英幸

 「インターネット版NHK『ハートネットテレビ』にリレー・フォー・ライフ(RFL)がんと生きるリレー・コラムというコーナーがあります。がん患者がエッセイの書き手となり発信します。各地域のRFL持ち回りです。RFL広島も参加したらと思いますが、いかがでしょう」RFL広島実行委員でありRFL中四国地区ブロックスタッフであるTさんがRFL広島メーリングリスト上で提案されたのは昨秋のことだったろうか。「よい企画ですね」「ぜひ参加したら」等賛同する意見が多数のった。

 「どなたか書いていただけますか」Tさんの呼びかけがあったが反応はなかった。「皆さん、自分なりに記してみてから返事をされるのだろうか」と私は思った。しばらくすると「皿海さんのエッセイをいつも楽しく読んでいます。今回の件、お願いしてもいいですか」Tさんからメールが届く。意外な展開だ。  

 私はRFL広島のホームページ「がん友のエッセイ」あるいは同人誌等エッセイを発表する場は確保されているので、「他の人の方が良いのでは」と思い、この件は最初から静観していたのだが。それにエッセイは気ままに記すものと思っているので依頼原稿は原則受け付けないようにしている。

 とはいえ担当のTさん、H実行委員長の顔を思い浮かべた時、簡単に断れそうにない。お世話になっているし、今後も信頼関係を大切にしたい。締め切りまでの期間が長いこともあり、何とかなると考えよう。今回だけは気持ちよく受けておこうと決める。ただし、写真の添付は手元に適当な写真がないのとパソコンが苦手なのでTさんにお願いすることにした。

 「難産の子は良く育つ」というが、ハートネットテレビのリレー・コラムに私のエッセイ「つながりを求めて」が五月二十五日付で掲載されると思った以上に反響があった。そのことについて記してみたい。

 まずは東京に住む姪が「大切なことが記してあるので、私のフェイスブック(FB)にシェアさせてください」と連絡あり。姪は大手民法放送局の職員。いわばNHKはライバルなので「職場でばれたら大丈夫か」と心配したが、「FBは個人的なものであり、心配無用」と諭された。しっかりしているな。

 手話サークルで知り合ったYさんからも同じ趣旨のメールあり。「あなたもFBをやっているのなら友達になろうよ」という返事をして合意。彼女のFBを見つけたが、友達リクエストがうまくいかない。私のFBの設定を変更し、彼女から友達リクエストをしてもらい、やっと友達に。FBで友達になるのは案外難しい。

 日本対がん協会Kさんもシェアして下さった。そのうえRFLで私とであった時のいきさつや印象をFBに乗せてくださった。最近RFLで会わないので「どうしたのかな」と思っていたら、他の地区に担当替えがあったとのこと。私のことを気にしていてくれたのは光栄だ。

 ほかにもどんな人たちがシェアしてくださったのだろうと調べていて出会ったのが「NPO法人希望の会スキルス胃がん患者・家族会」この会は「スキルス胃がんの患者や家族の方々に適切な医療情報や交流の場を提供し、さらに胃の不調に悩む方の正確な診断、スキルス胃がんの早期発見、治療のために情報を発信することを主な目的とする特定非営利活動法人です」と説明してある。

 胃がんの人は多数いるが、スキルス胃がんはその十パーセント程度。そして悪性度が強く進行が速いといわれる。それだけに情報交換の場・交流の必要性は高い。私が告知されたころにこの会があったらずいぶん気持ちの持ち方が楽だっただろう。この会の活動に期待する。この文章を読んでいるあなた、どうぞ「希望の会」のホームページ・FBを閲覧してください。お願いします。

 また、広島の患者会「とまーれ」では「六月二十八日(13時~16時) 広島市まちづくり市民交流館で市民公開講座『がん患者のための終活』を主宰しますが、その際皿海さんのエッセイが掲載されたことを紹介します」という連絡が入った。ありがたい。

 職場では四月から勤務している新人職員に自己紹介を兼ねて「ハートネットテレビ」のページを紹介した。途中から涙を浮かべながら読んでくれた。感受性の強い人なのだろうか、それとも身近なところにがんの方がおられるのかな。いずれにせよ、彼女との距離が縮まったように感じる。

 職場の利用者の一人に「皿海さん、中国新聞に載っていましたよ」と声をかけられた。「何のことか」と図書館で調べたら、折り込みチラシ「府中かわら版」に「皿海代表の文章。ネットに掲載」という見出しの記事があった。写真があるわけでもない小さな記事をよく見つけてくれたな。
 以前「びんご生と死を考える会」「社会福祉法人すばる」の講演会でお世話になったN医師と久しぶりにメールのやり取りがあった。感想として「同病者に取り、あなたの生き方そのものが立派な治療薬です」と記してある。懐かしくもあり、うれしくもある。

 ほかにも見知らぬ人がシェアあるいは「いいね」をして下さった。届いたメールを読んでいると、私のことを力強い人、立派な人と思っている人がいるように思う。それはちょっと違うのではないかな。告知された時、子供二人は大学在学中であり、両親は八十代。こうした状況ですべてを妻に託して私が亡くなるわけにはいかない。負担があまりに大きすぎてかわいそう。

 何とか生き延びなければと思い、悩んだ末の考え方、生き方。「これしかない」「これでいいのか」のはざまで揺れながら生きてきた結果として「前例がなければ、自分が前例となるような生き方をしたい」と思うに至ったのである。私自身は弱さを認めたうえで評価してもらいたい。

 このような予想以上の反響に戸惑いながらも悪い気はしない。さすが公共放送の影響は大きい。ハートネットテレビのコラムに掲載を勧めてくださった方、協力してくださった方皆さんに感謝したい。そして同時に反省点がある。これだけ反響があるのなら、今年のRFL広島開催の要項を記しておけばよかったと思う。遅ればせながら次に記す。

 日時 九月五日15時~六日13時
 場所 広島市立特別支援学校
      広島市南区出島4‐1‐1

  皆さん、ご参加よろしくお願いします。