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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

    四月危機を乗り越えるために
 「皿海さん、W(私の職場)は職員数が減って大変でしょう。あなたの負担が増すのじゃあないの。倒れないように気をつけてね」四月になると周りの人たちに声をかけられることが多い。Wでは職員十人中、三月末で五人退職し、四月一日三人が採用となった。計二人の減少となる。
 外見だけだと、私は生真面目で責任感が強い男に見えるということで声をかけられたのか。ありがたいことだが私は大丈夫。責任を感じ、気を使って働いても胃が痛くなることはない。と記すと「同じギャグを何回も使うな」という声が聞こえてきそう。そこでまじめにお答えします。
 「二人減った分は職員間でしっかりコミュニケーションを取り、チームワークで乗り越えましょう」と話している。だけど、頭数が足りないのだから、以前とまったく同じやり方での仕事はできない。創意工夫は必要だが、自分の出来ることをやればいい。慣れで仕事をしていた部分は見つめ直す良い機会。新職員も現役も早く新しいやり方を築き上げようとよいムードで頑張っている。
 利用者に対しても「職員数が減ったのだから、自分でできることは自分でしましょう。そしてほんの少しでもよい、自分でできることを増やしましょう」ということができる。今までは手厚い支援を求める人、甘えたがる人もいた。
 たとえばリフレの清掃。今まではトイレ・フロア各一名と利用者四名で清掃を行っていた。今月からは職員は私一人と利用者四名の日を一週間に二日程度入れている。つまり私が男子トイレの清掃をしながら、フロアの清掃に指示を出したり確認をしたりしている。
 こうしたやり方で、利用者ができることを増やす努力をしてもらえれば、職員減少をマイナスだけでなく、プラスにとらえることもできるのでは。「今のままでよい」「一生Wで」と言っている人たちに「いつかは社会へ」「将来的には就労」と言ってもらえるようになれば就労支援施設のあるべき姿では。
 「職員は体力面と同時にメンタルヘルスにも十分気をつけなければ」という声をよく聞くようになった。メンタルヘルスといえば、私は二つの提案ができる。
 一つは、職場と全く違った分野に目を向け、活動してみるということ。私は、職場で失敗が続いてうつむき気味だとしても、がん関係の行事に参加すれば、私を評価してくれる人がいる。その最たるものがリレーフォーライフ。私の生き方・考え方を認め、ざっくばらんに話し合える人たちがいる。「がん患者希望の星」と表現してくれる人がいる。
 五月にはバラ祭りで「乳がん患者団体アンダンテ」と共に活動する予定。また「ピンクリボンでカープ」の行事ではがん啓発のチラシ配布に参加予定でもある。こういう違った評価の場があると、うつむいていても立ち直りやすい。
 もうひとつは趣味を大切にするということ。私の趣味の一つにエッセイがある。今月になり二件の呼びかけがあった。「インターネット上でのリレーフォーライフ、リレーコラムに中国地方代表ということで執筆してもらえませんか」うーん。アマチュアなので、テーマや字数に拘束されず自由に書きたい。依頼原稿は断っているのだが、今回は彼女との信頼関係重視ということで引き受ける。出来栄えに自信はないが。
 「皿海さんのエッセイ、まとめて出版されればいいのに。読んで元気になる人がいると思います」こう誘われたこともある。でも無料で読むのと有料のとでは評価が違うでしょう。それにエッセイは発表すると作者の意図を離れて独り歩きするケースあり。読者が増えれば幾通りもの読み方をされる。私と信頼関係のある人を優先するということでしばらく自粛。
 趣味のおかげで私から見れば随分若く魅力的な女性に口説かれちゃった。今青春しています。いや、成春かな。充実した四月を送っています。
 ところで、定年を待たずしてWをやめられた方、今どうしていますか。次の活動の場が見つかっていればいいのですが。ご多幸をお祈りしています。