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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

  ピンクリボンフォーラムより
 突然ですが質問です。「乳がんは女性特有の病気」とあなたは思っていますか。答えは「いいえ」乳がんは乳房の中の乳管などに生じ、男性にも乳管はあるため罹患の可能性がある。過去十年間は毎年平均約九十人の男性が乳がんで命を落としている。(「乳がん男性も注意」産経新聞十二月二十六日号参考)
 それなら恥ずかしがらず「ピンクリボンフォーラムin備後」に参加し、しっかり学習しようということで、一月十八日、会場の尾道総合福祉センターへ。内容は
講演会
 ・高澤信好先生「がんの放射線治療について」
 ・大谷彰一郎先生「乳がん診療における アドバンス ケア プランニング」
体験談
 ・竹本裕子さん 乳がん
 ・三木祥男さん 舌がん
 今回は同じ府中市在住ということで、竹本さんの体験談について取り上げてみたい。まずは要旨を記す。
 二〇一五年二月、乳がんになる。長男が生まれたとき、乳腺炎になったので、検診を受ける等気にしていた。乳がんの専門医は意外に少ないので、自分で主治医を選ぶのは大変だが、決まった後は、先生を信頼し、治療に関してはお任せし、自分には何ができるかということを考えた。
 がんになる前の私は頑張り屋で人に頼らなかった。周りの人に嫌われないように、目立たない様に生きてきた。それが当たり前と思っていた。
 でもがんは自分の身体の一部、自分で作ったもの。前と同じ生活をしていたら、治療が成功しても再発する。何かを変えなければと思い、食事内容を変え、運動を生活に取り入れた。人を傷つけたくないからと我慢するのはやめる。ストレスをためないように、良い人をするのはやめる。再発におびえるよりも前向きに生きたい。まだまだやりたいことはある。
 最悪の事態も考えていたので、希望が見えたとき、感謝の気持ちでいっぱいになる。大きな力により、何かが変わったようだ。
 自分がどうしたいのか、何をしたいのか、考える時間をもらえたのががん。今できること、身体に優しいことを無理のない範囲でしよう。会いたい人に会い、行きたいところに行こう。
 治療を始めて二カ月後、ブログを始めた。「乳がんに感謝」という題で自分の思い・体験を記した。書くことで気持ちの整理ができた。
 自分の体験から、治療で頭髪が抜けた人のために「医療用帽子屋」をやりたいと思い始めた。ネットショップでも受け付けている。私のブログを読み、帽子をかぶり、「私も大丈夫」と思ってもらえればいいなと思っている。
 後悔しない人生を送りたい。未来を心配するより、今を楽しみたい。会いたい人に今、会おう。したいことは今、しよう。「性格を変えたい」と思ったけれど、本質はなかなか変わらない。でもリフレッシュする方法を身につけることができたので、これからも前向きに自分の身体を大切にしながら生きていけると思う。
 当日のメモをもとに記したが、私の頭で整理しやすいよう、一部順序を変えたところがある。お許しください。
 良い話だった。「周りの人を気にするより、自分なりに行きたい。がんは自分の身体の一部」等、私の思いと共通する部分がかなりある。忘れかけていた治療中のことを思い出させてもらった。今生きることに感謝し、生かされた命、精一杯生きたいと改めて思った。
 ところで彼女と私、直接会うのは二回目。「顔を覚えているだろうか。自然な雰囲気で会話ができるだろうか」と会場へ行くまでは心配していたが、杞憂だった。メールでやり取りしているからか、以前からの知り合いみたいに打ち解けて接することができた。お互い、書くことで気持ちの整理をするという共通点があるからかもしれない。
 私も彼女のように明るく前向きに生きていきたい!