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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

      そろそろ出番です
 
 先日の木曜日(二十七日)抗がん剤治療を始めました。副作用がきついようです。と言っても私のことではありません。RCCで木曜日午後九時から放送『ママとパパが生きる理由(全五巻)に登場するママのことです。
 原作は「私、乳がん。夫肺がん。三十九歳、夫婦で余命宣告」(大和出版)ですが、原作の原作は(ややこしいな)芽生(めい)さんのブログです。「夫婦二人でがんを克服して元気に生きていければ闘病中の人の希望の星になるのではないか。この物語をたくさんのがん闘病中の人の人たちに知ってもらいたい」という思いでつづったブログです。多くの人の共感を呼び、本にそしてテレビドラマになりました。
 抗がん剤の副作用の一つに髪の毛が抜けるというのがあります。女性にとっては大変ショックな事態ではないかと思います。そこで帽子の登場となるのですが、ドラマで使用される帽子は広島県府中市で作られたものなのです。何故地方都市である府中市で作られた帽子が全国放送のドラマで使用されることになったのか。関心をお持ちの方もあるかと思います。
 ドラマの小物係の人が「どんな帽子がいいかな」といろいろ捜していました。インターネットで捜していたとき、府中市の帽子屋さんのホームページにヒットしました。「ナチュラルなイメージの帽子が主人公ママにぴったりでは」ということで問い合わせがあり、話し合いの結果使用されることになりました。
 店を経営されている方も乳がん体験者です。治療が成功し元気になったのですが、その時思われました。「生かされた命、人のためになるような生き方をしたい」色々考えたのですが、被服の仕事を経験しており、資格もある。そこで「医療用帽子のお店を立ち上げよう。辛い抗がん剤治療のお役に少しでも立てたら」となりました。
 インターネットでの受け付けもありますが、来店された方にはお茶を飲みながら、あるいはハンドマッサージをしながらがん体験者としてじっくり話を聞きます。そして二人で「どんな帽子を望んでいるのか」「どんな帽子が必要なのか」を決めてゆきます。
 なるほどドラマで使用されるわけだ。私もがん体験者であり髪は薄い。これからの季節、寒さを頭に感じることもあります。このお店に行き、帽子を作ってもらえればいいなと思います。でも、現在抗がん剤を使っていないし、髪の薄いのは遺伝性のものでしょう。インターネットで温かそうでナチュラルな帽子を見て楽しむのにとどめておくしかないのだろう。
 お店の経営者の方の生き方もドラマになると思いませんか。素敵ですね。二十九日の産経新聞・NHK『週刊ニュース深読み』でがん患者の就労に関する特集がありました。二人に一人ががんになるといわれる時代ですが、就労に関して難しい問題があるようです。そんな中でがんを体験しながら『人のために』とお店を開いた。ドラマあるいは別の方法でもいいのですが、取り上げる価値があり、見た人に良い影響を与えると思います。がんに関するドラマの主人公は激しい治療に耐えながらも、最終的には無くなっていく。そんな筋書きが多いように感じますが、そろそろ違ったものがあってもいいと思います。それにがん体験者皆さん、それぞれドラマをお持ちだと私は思います。
 ところで「ママとパパが生きる理由」に話を戻します。帽子一つを選ぶにも細心の注意を払っておられるようですね。丁寧なドラマ作りがなされているのを感じます。きっと登場人物の生き方に学ぶ点があるのではと思っています。
 そんなことを感じながら、府中市の帽子屋さんで作られた帽子が使用されるシーンを心待ちしています。ドラマの流れから考えてみると、おそらく十二月四日には見ることができると思います。待ち遠しい木曜日です。