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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

   久しぶりに満腹です
 「あれ、パソコンの地図を拡大しても出てこないな。まあいいか」九月二十七日(土)、リレーフォーライフイン広島(RFL)の懇親会兼打ち上げ会場を念のため地図で確認しようと思ったのだが。
 十八時前。JRで尾道着。会場はシネマ尾道の東側にあり。「なるほど」店の前に花輪が飾ってある。開店したばかりなので地図に載っていなかった。
 会費を払い、席を決めるくじを引く。私は六人用丸テーブルの一番奥側の席に。他の五人はすべて女性という特等席。そういえば今年のRFLも女性の活躍が目立った。「乳がん体験者が多く参加しているが消化器系のがんではないから、しっかり食べて元気なのかな」と思わせる。このテーブルの女性も、乳がん体験者二名。ほかの人は細胞検査士・市職員・イベント関連の方という顔ぶれ。顔なじみの人と食事をするのも楽しいが、RFL当日あまり話ができなかった人とも今日は話を楽しみたい。
 私の左側は細胞検査士。着席すると「私、まだ名前を覚えていない方がいるので失礼のないように」と実行委の名簿を取り出し、確認されている。几帳面な方だな。私は覚えていない方には「ちょっといいですか」と名前なしで話しかける。覚えようとして覚えられず「もしかして認知症かな」と感じるのが怖い。
 「乾杯!」実行委員長の発声で皆さんグラスを持ち上げる。テーブルの人とグラスを合わせると、移動しながら他のテーブルの人とも「乾杯」こんなに移動しながら多くの人とグラスを合わせるのは初めて。会場は乾杯だけで盛り上がり、一体感に包まれる。だけど、がん体験者が多数のグループ、最初からハイテンションでいいのかな。
       
 落ちついたところで話しかける。「当日買ったグッズの中に『乳がん検診受診率二十四%』というチラシがありましたが、これは男性も含めたものですか、女性だけですか」「女性だけでしょう。男性に案内を出した覚えはありません」と市職員。「そうですね。まれに男性も乳がんになるとはいえ、マンモグラフィの撮影は無理でしょうし」と私。女性だけにしては低い受診率だ。それにしても、市職員が実行委に加わっていると、公共施設を借りる場合そしてそこの備品がどうなっているかの確認等、スムーズに進行し感謝することが多い。本来の業務の上にRFLの業務、ありがたいことだ。深謝。「無料クーポン券は国・自治体どちらの制度ですか」と合わせて問う。「国の制度ですが、予算が減少し、配布する対象が減っています」「三原では自治体独自の制度で上乗せし、対象が減らないようにしています」と細胞検査士。
 私が乳がんに関するエッセイを記した時、「乳がん検査は産婦人科ではなく、乳腺外科でという部分は大切。もっと強調した書き方を」とアドバイスしてくださった方。今回も「上乗せしているけれど、三原市内の医療機関受診という制約があります。乳腺外科なら市外でもよいとすれば、もっといい制度になるのに」と教えていただいた。
 イベント関連の方はいつも地味だけど大切な部署を担当し、確実な作業をされている。ありがたくもあり、その仕事ぶりにあこがれる。
 料理は三人前を一皿に持ってあり、自分の小皿に取り分けて食べるという形式。たくさんの皿が次々に運ばれ、料理の種類は多い。「皿海さんどうぞ」と皆さんが勧めてくださる。魅力的な女性の勧めを断るすべは持ち合わせていないが、これだけはね。胃を全摘している私にはマイペースが大切。ハイペース・食べすぎは厳禁。でも今日は気持ちよく食べている。それに食事中会話をしても苦しくならないぞ。
 他にもがんのチーム医療について、RFLの反省など会話を楽しみながら食事は進む。今回のように、行政関係・医療関係・イベント関連・がん患者等さまざまな立場の人ががんについて語り合うこと、親睦を深めることはとても大切。がん検診に限らず「健康福祉祭り」等のヒントになることも多々あるように思う。残念だが、実行委に所属している人は七十人近くいるが、府中市からの参加は私一人。広島とまではいかなくても、尾道・福山といった東部開催の時は府中からも複数の実行委員で参加できればいいのだが。まずは私のRFLに関するエッセイをより多くの府中市関係者に読んでもらうことから始めようか。
 宴たけなわとなる。参加者全員が順番にスピーチをすることになった。「人数が多いので、簡潔に」という指摘あり。ならば「ルミナリエセレモニー」・ホームページ「がん友のエッセイ」と思いを伝える機会に恵まれている私は「短く、極力短く」だよね。
 私の順番が来て、スピーチを始めようとしたら「ミスターRFL!」と声がかかった。掛け声の影響か、思いがこみ上げたのか、話が長引いた。 ・がん細胞は三百六十五日活動しているので、RFL実行委も今日で解散ではなく、ホームページ・フェイスブック等を通し、がん患者とつながっていよう。・がん患者にとり、ピア活動は大切を中心に話した。
 幸い今回の会は懇親会兼打ち上げ。単なる打ち上げではないので、皆さん「今日限りではない」という共有の思いがあると解釈したい。
 締めくくりは参加者による集合写真。「なんですか、それは」ビール瓶片手に並んでいる人あり。「写真の小道具、楽しくいきましょう」「じゃあ私はコップを持って写りましょう」「私、コップに注ぐふりをするからね」結果として二人を中心に楽しい笑顔の写真となった。自分本位の解釈かな。
 終了後、「今日は府中経由で帰るから、送ってあげる」と同じテーブルの乳がん患者二人が微笑んでいる。いつもお世話になりっぱなしなのに、今回もお世話になることにした。JRより、だいぶ距離的に短い距離だし、車内で会話が盛り上がったこともあり、「もう府中、もう少し話したかったね」という状況で帰ることができた。
 RFL尾道実行委は本当に仲がいいし、結束力がある。そして新しい参加者も快く受け入れる。再度尾道でRFLが開催されるなら、おそらく実行委として馳せ参じるのではという気がする。楽しく有意義な懇親会であった。次は「がん患者大集会」で会えればいいな。