2009メインメニュー

postheadericon ルミナリエセレモニーに望むメモ

2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

   ルミナリエセレモニーに望むメモ
 リレーフォーライフで最も重要と言われるルミナリエセレモニー。今年もその際、舞台に上がり、スピーチをするよう実行委員会から依頼された。正確には依頼されたというより、決定事項として議事録にあるのを読んで知らされた。
 私がスピーチを知るのは第1回から連続しており、今回で6回目である。有力団体に所属しているわけでもない私が、何故連続してスピーチを要請されるのだろうと考えたとき、「腹膜播種したスキルス胃がん」というのがあると思う。年配の方には逸見アナウンサーの壮絶な闘病の姿が印象的なのだろうと思う。だからこそ、同じがんである私の存在が印象的なのではと思う。
 同時に、「胃を全摘しているにもかかわらず、フルマラソン42,195キロを完走している」というのが注目に値する。こうした事実に対して「奇跡的な生き方」「がん患者希望の星」という称賛をいただいた事がある。
 そこで、そのあたりを中心にスピーチを考えてみたい。もちろん、聞いた人が少しでも勇気がわく、もしくは一人で抱え、しんどい思いをされている方が、少しでも軽くなってもらえればいいなと思っている。
 府中市から参りました「皿海英幸」と申します。61歳です。趣味はジョギングとエッセイです。
 さて、私のがん体験ですが、今から八年と八か月前の2006年1月、岡大附属病院で、腹膜播種したスキルス胃がんとの告知を受けました。腹膜播種とはがん細胞が胃の壁を突き破り、お腹の中に散らばっていること。このような状態では胃の摘出手術をしても意味がない。抗がん剤の治療を優先させようと言われました。ただし、抗がん剤が効かなかった場合は余命4カ月という状態でした。
 予想外というか、思いのほか抗がん剤がよく効き、8月末に開腹手術で胃・脾臓・胆のうの全摘手術を行いました。9月になると、腸閉そくになっているのが分かり、再び開腹手術を行いました。
 10月に退院しましたが、その際「手術は成功したが、5年生存率は10%余。元気になった人の例はほとんどない」と言われました。私は五分五分という言葉はあるが、10%という数字はいかにも低い。数字を無視して生きてみよう。数字を無視して生きた私が5年以上生きたら、5年生存率がわずかでも上がればいいなと考えました。前例がないのなら、自分が前例となるような生き方をしたいと思いました。
 そして現在、術後8年を生き抜きました。同じ職場に同じ職種で復帰しています。
フルマラソンに出場し、5回完走しています。胃がないので、前もってたくさん食べることはできないので、走りながら食べる練習をして臨んでいます。既に5回完走しているので「胃がなくてもフルマラソンは完走できる」と声を大にして言ってもいいと思います。
 こうした私の経験から皆様に訴えたいこと、「絶対にあきらめないで」余命宣告・5年生存率は過去の統計にもとづくもの。可能性はあるが、必ずあなたに当てはまるとは限らない。自分に都合のよいよう解釈しましょう。前例がなければ自分が前例となるような生き方をしましょう。それは周りの人にも良い影響を与えるでしょう。
 がんの治療をしていると、辛い時、孤独を感じる時があるでしょう。そんなとき、リレーフォーライフを思い出してください。リレーフォーライフは開催されている2日間だけではありません。ホームページは1年中あります。そこからフェイスブック、ブログに移ることもできます。上手に利用してください。辛い時こそ、誰かとつながるように考えてみませんか。少しは気持ちが楽になると思います。
 以上。今日はありがとうございました。