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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

   暁現象
 以前から不思議に思っていたことがある。それは血糖値。一カ月に一回府中市の内科で血糖値の検査をしているが、それは十七時頃。食後血糖値だが数値はほぼ90~100が多い。
 年に二回岡山市の病院を受診する時は「空腹時血糖値が知りたい」と言われ、朝食抜きで行き、八時半ごろの検査となる。その数値は120くらいが多い。なぜ食後血糖値より、空腹時血糖値の数値が高いのか。自覚症状としては空腹時のほうが絶対低血糖なのに。
 「そういうことはあります」医師に尋ねたところ、そう言われた。食後は血糖値の上昇を抑える薬を飲んでおり、その効果から緩やかな変動となる。
 一方人の身体は起床し動き始めると、「よし、今日も活動するぞ」ということで、ホルモン等が働き始める。その中に、血糖値を上昇させるホルモンもあるという。そういえば、人はいざという時は血糖値・血圧はやや高めのほうが活動しやすいと聞いたことがある。
 健常者だと血糖値が上がり始めるとすぐにインシュリンが働き、抑えにかかる。だけど、膵臓の働きが弱い人はインシュリンの効果も弱く、結果として、食後血糖値より、空腹時血糖値のほうが高くなることがあるという。これを医師は「暁現象」もしくは「暁の高血糖」と呼んでいる。
 医師の説明に納得すると同時に驚いた。人体の現象は不思議というか素晴らしいものがある。生命を維持するためには自分の身体だけれどまだ知らない素晴らしいシステムが働いている。劣等感の多い人もうぬぼれが多い人も同じように働いている。
 命は大切にしなければならない。自分はがんになったけれどよみがえってよかったと改めて思うことができた。
 そしてもう一つ。医師とはコミュニケーションが大切。生活習慣病は特に納得の治療のほうが効果が出ると思う。



    ルミナリエセレモニー
 今年もリレーフォーライフイン広島の開催があと一週間を切りました。私は今年もルミナリエセレモニーでスピーチをさせていただくこととなりました。「今年も」と記したのは、第一回から連続でスピーチをさせていただいているからです。家族は「父さんのスピーチは原稿を棒読みしているみたい」「聴いている人たちの反応を確かめていない」等評判はよくありません。結局「父さんが評価されたというより、スキルス胃がんだから選ばれたのね」に落ち着きます。
      
 それを認めるにしても、五年連続は大変なこと。何か心に響くものがあるのだろうと私は感じています。
 ただ、聞く側からすると「またあいつか。昨年と同じことを言っているぞ」と感じる人がいるかと思います。看護学生を相手のスピーチなら、毎年人が入れ替わります。でも、リレーフォーライフはリピーターが多いと聞いています。
 「またあいつか」と思われる方、それはあなたも私もがんの告知を受けながらも、有効な治療により、しぶとく生きながらえてきたあかしだと受け止めてください。そう考えれば、これも一つの喜びととらえてお付き合いくだされば幸せです。ただし昨年、広島支援学校でのスピーチですが、私だけが長時間スピーチをしたような気がします。今回は、テーマを絞り、簡潔なスピーチとなるよう、これからしっかり考えてみます。
 それともう一点、「またか」と思われるかもしれませんが、実行委員のTシャツの背中に「スキルス胃がんに負けないぞ」というゼッケンを着用して参加しようと思っています。後ろ姿を見つけて、声をかけてください。