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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

    回り道だけど
 「父さん、今日は尾道でしょう。夜の運転は心配だから私が送り迎えしてあげる」妻が言った。今日七月五日はRFL実行委員会の日。私は左目の視力がほとんどないので夜の運転を苦手としている。「ありがとう。でも両方だと大変だから、行きはJRにするよ」
 実行委員会が無事終了し、雑談の中で会場までの交通手段が話題となった。「皿海さん、みずくさい、事前に電話をくれれば府中経由で来ているのだから乗せてあげるのに」と福山アンダンテの方。「ありがとう。でも八月は今日より日が伸びるでしょうから大丈夫」
 「皿海さん、私は福山なので、迎えに行きましょうか」と言われたのは本日初参加の方。今日会うといきなり「皿海さんですよね」と声をかけられた。私は自分が思っている以上にがん仲間では有名人なのかもしれない。うれしいような照れくさいような気持ち。某著名人は「有名人になるとたちションもできない」と言っていたのを思い出す。別にしたいわけではないが。
 皆さん心使いありがとうございます。でも、私はJRで尾道に来るのは苦にならないのですよ。車の運転だと、緊張気味に前方を見ていないといけないが、電車の中だと本を読むこともできるし、うとうとすることもできる。
              
 駅に着いたら散策することもできる。今日は海岸通りを東側に歩き、アーケード街を通って駅に帰った。「尾道はパン屋さんの激戦区」という情報を思い出し、途中「パン屋航路」でパンを買った。なるほど、志賀直哉は尾道ゆかりの作家だったよな。代表作は「暗夜行路」
 駅の売店で缶コーヒーを買い、早速パンを食べる。かみごたえも味もしっかりしており、なるほど激戦区のパンだ。捕食ができ、これで低血糖の心配はない。会場へ向かい出発だ。今日は国道に沿って流れる川の西側を歩く。ところどころにアジサイの花が咲いている。「ちょっと寄り道だけど、路地へはいってみようか」と思わせるところもある。
 「今度JRで来る時はもう一つ早い電車できてここに寄ろうかな」と思いながら中田美術館の前を通る。
 散策には楽しみがたくさんある。今日は忘れたけど、小型のデジカメ持参で歩けばもっと楽しみが増える。
 第一と第三土曜は半日勤務だが、RFLが近づくと他の土曜日に実行委というケースもある。そうなるともっと違った過ごし方も考えられる。午前の涼しいうちに尾道へ来て、駅西のコインロッカーに荷物を入れる。足の向くまま気の向くままにゆったりとジョギングを楽しむ。もちろん路地裏や坂道にも入ってジョグ。府中だと海を見ながらのジョグは絶対不可能。その後は映画観賞もしくは市立美術館でゆっくり過ごす。昼食は尾道ラーメン。もしくは「てっぱん」で有名になった尾道焼きもいいかな。
 色々記したが、好意はやはり素直に受け取るのが一番。時間に制約があり、忙しい土曜日あるいは荷物があるときは、お願いし、同乗させてもらうことも考えよう。ただし、それは片道だけということでお願いだ。「なぜ?」片道は妻と二人きりのドライブを楽しませて下さい。