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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

   マスクの話
 「最近寝不足気味」という声を聞く。オリンピックが気になり、夜更かしをしてテレビを見る人だ。中でもフィギュアスケートの羽生選手が金メダルをとったのには感動した人も多いという。
 ところで羽生選手は以前、スタミナ不足で後半の演技が思うようにできなかった。そこで心肺機能を高めるため、マスク着用で過ごす時間を増やしたという記事があった。「これを読み、羽生選手にあやかったマスク着用者が増えるかな」と思った。かく言う私もマスク愛好家だ。
 きっかけは抗がん剤治療。「治療中は免疫力が落ちますから気をつけてください」と医師に言われた。そこでマスクと手洗いは日常となった。術後に年で抗がん剤治療はやめたが、今も外出時はほとんどマスク着用である。「作業着にマスク着用が一番皿海さんらしい。マスクを外した写真を見せてもらっても、だれかわからなかった」と言われたことがある。
 「なぜいつもマスクをしているの」と問われ、「人様にお見せできるような顔じゃあないのです」といったことがある。朝、ずぼらをしてひげをそらずに出勤したことがある。そんなとき、マスク着用だと目立たない。
 心理学的には、人は自身が持てない時、手で口を押さえて見えなくする傾向があるという。そのあたりが影響しているのかもしれない。趣味はジョギングだが、「心肺機能の強化」ということは思っていなかった。
もしかして、医師や看護師は心肺機能が高い人が多いのかな。
 マスクごときで申し訳ないが、羽生選手を身近に感じるようになってきた。よし、私も心配機能ではなく心肺機能強化を意識してマスクをしてみよう。ロードレース大会後半が、楽しく走ることができる予感がしてきた。
        
    安全靴
 ワックス清掃をすると、床が滑りやすいので気をつけなければならない。中でも剥離剤を使う作業は特に滑りやすいので、靴をネットで覆って作業をする。
 ところが、古くなったネットは途中、気がついてみると靴から外れている。ヒヤッとする一瞬。古いのは処分すればいいのだが、使用した後洗濯してからと思うと分からなくなる。
 そこで水や油をまいたところを歩いても滑らないという安全靴をこのたび購入した。業者の方が配達され、ためし履きをしていた。
 「それ、絶対滑らない靴ですよね。以前テレビでコマーシャルをしていたのを見かけました」事務職員が私に告げた。「そうなのですか、清掃担当の私より詳しいですね」「たまたま見ただけです。たしか岡山あたりの企業だったと思います」靴箱を見ると確かに企業名の下に岡山市の住所が記してある。「本当だ」
      
 「ところで、絶対すべらない靴だから、お宅のお子さんが受験の時、貸してあげましょうか」と問いかける。「ありがとうございます。それまでできれば汚さない様に使って下さいね」
 ちょっと待ってください。「うちの子は、実力で勝負させます。お気遣いありがとうございます」と言ってほしかった。子どもは母親との信頼関係の中で成長するものだと思いますよ。