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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

   青太の力 
 フルマラソン完走後、気持ちは晴れ晴れ身体はへとへとの状態で宮崎駅行きの路線バスに乗り、市内へ。たくさんの人が乗るのだが、今回は運よく座席に座ることができた。
 宮崎市内へ入るとホテルより少し前の停留所で下車する。スーパーへ寄り、打ち上げの準備だ。「筋肉が疲れているので、良質のたんぱく質を」ということでそれらしき総菜を買い、飲み物は宮崎に敬意を表しご当地の焼酎とする。
 ホテルに帰るとまずはシャワーを浴びる。疲れた体に心地よい。そして打ち上げ開始。小腹が起きたところでケータイを取り出す。手話講習会同期生Yさんの番号をプッシュする。「もしもし、皿海です。今宮崎から電話をしています」 良かった、今年も通じた。懐かしい声がケータイを通して聞こえる。
      
 彼女が福祉施設に就職して以来、普段電話をしてもまず通じない。だから、用事がある時はメールか手紙を送ると忘れかけたときに申し訳なさそうな感じで連絡がある。こちらも恐縮する。
 だけど、不思議なことに、「青太マラソン」完走後に電話をすると、今まですべてつながっている。不思議ではあるが、とてもうれしいことでついつい話が弾んでしまう。誤解がないように記しておくが、妻には大会会場で連絡を済ましている。
 電話を終え、テレビを見ながらしばし飲む。今日のレースを振り返りながら。「そうだ」突然ひらめいた。もう一人、普段ケータイで連絡を取ろうとしてもつながらない人がいる。以前同僚だったYさんだ。彼女自身「いつもケータイに出なくて申し訳ありません」と私に言ったことがある。まして今日は日曜日、子どもさんの相手もしなければならないだろう。でも同期生の例もある。ここは試してみる価値がある。ケータイを手に取りプッシュする。呼び出し音を聞きながら、留守電に入れるメ―セージを考える。
「もしもし」えっ! 本人が出たぞ。びっくりした私はしどろもどろの会話。対するYさんはクールな対応。それが彼女の持ち味であり、そこが気にいっているのだが、今日は苦しんで完走しただけに、クールではない反応がほしいという思いは事情を知らない彼女に対して独りよがりの思いか。でも久々に声を聞けてうれしい。これも青太の力、もしくはフルマラソンの力というのかな。
 一人だけの打ち上げだけど、ちっともさみしくなかった。とても充実した打ち上げができた。

    誤解の無いように
 「乾燥肌」とでもいうのだろうか。冬になると私は肌がカサカサになる。ひどい時はかかとがわれていたい。そこで定期的に受診している外科の先生に尋ねた。
「ワセリンを塗ったら」答えは意外にあっさりしたものだった。以来秋になるとワセリンのチューブ入りを購入し、持ち歩いている。
 「青太マラソン」で宮崎に行き二泊した。我が家と違いホテルは隙間風などない。空調がとてもよい。そのためだろうか。「痛いな」帰る日の朝、両かかとの違和感あり。ソックスを脱いでかかとを見ると、ガサガサになり、ひびが入っている。
     
 秋口からあんなにワセリンを塗りたくっていたのに。それにタイミングが悪いよ。今気になるからと足を引きずっていたら「フルを走った疲れかな」と思われるだろう。旅先なのでうっかりワセリンを忘れている。
帰宅したらゆっくりお風呂に入り、かかとをしっかり洗ってお手入れしよう。
 フルの疲れと思われるのはしゃくだから痛くてもできるだけ平気な顔をして歩くことにしよう。