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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

  やけどをしちゃった    皿海英幸
 「あち!しまった」七月十七日(水)早朝のことだ。両親の昼食用にと思い、野菜炒めに取り掛かる。フライパンで油を熱し、野菜を入れたところ油が飛び散り、右手首に痛みが走った。すぐに火を止め、水道水を流しながら手首を冷やす。油の量がいつもより多かったのか、それとも洗った野菜を水切りせず、すぐ入れたのがいけなかったのか。
      
 四~五分冷やしていると、重症ではないように思えてきた。それにフライパンが気になるので、野菜炒めを仕上げ、朝食をとる。
 妻に見てもらう。「やけどは最初が大切。もっとしっかり冷やしなさいよ」と冷蔵庫から保冷剤を出す。それを使いながら、今日の仕事について考えてみる。「うーん、やはり病院に行くのは昼前だな」三十分冷やす。 怪我なら家庭で消毒してほっとくのだが、やけどはこじらせると大変なことになるという。それに「あなたは五年生存率十%のスキルス胃がんを克服したのだから、しょうもない病気や怪我はしないように」と常常妻に言われている。
 「一度もしくは二度のやけどでしょう。明日になると水ぶくれができるかもしれません。その時は処置しますので明日も来てください」と医師に言われる。看護師が薬を塗り、包帯をしながら言う。「先生がよいというまでは濡らさないでくださいね」「それにしては包帯をしっかり巻きましたね。汗で濡れると思いますが」「汗は仕方ありません」
    
 しばらく通院の可能性もあると思い、近くの外科で診てもらった。「やけどだったら皮膚科のほうがよいのでは」という知人がいた。皮膚科といえば尾道に信頼できる先生のクリニックがあるが、毎日通院となるとちょっと負担。それに最近の外科は皮膚科の看板も掲げているから軽いものならどちらでもいいのでは。
 できるだけ濡らさないようにと思い、習慣となっているジョギングを今週は休みとする。そして右手を使わずの入浴となるが、しっかり体を洗えず、湯船につかるだけといった状態。「加齢臭が始まったね」と娘に言われているのに、このうえ汗臭さが加わったら辛い。
 翌日の病院、看護師が包帯をとるのを祈るように見つめる。「よし、水ぶくれはない。これなら今週末で治療は終わり」自己判断する。が、それは甘い見通しだった。「先生!」看護師の声、三日目にして水ぶくれができた。そのうえ「水ぶくれに穴をあけたので、明日も消毒に来てください。土曜日ですので午前中のみです」あーあ。
 第三土曜日は勤務の日。毎日の医療費に欠勤で高いものになりそう。そうはいってもと昼前に行く。消毒をしながら「あす日曜日は九時から十時の間は処置のために開けています。消毒に来てください」と看護師。ありがたいようだけど、日曜日も休まず通院か。早朝から遊ぶわけにはいかないな。日曜日、包帯をとっている看護師が言った。「散髪しましたね。髪の毛が傷口についています」へー、昨日の夕方散髪したが、あれほどぐるぐる巻きの包帯でも中に髪の毛が入るとは意外。しっかり巻くのも仕方ない。
 その後は順調だった。「よくなりましたね。やけどをして何日目ですか」医師か聞く。「あすでちょうど一週間です」「まだだな、明日も来て」傷の状態よりも日日で行くのかな。
 翌日受診する。「ちょうど一週間でしたね。明日で終わりにしましょう。ただしやけどの跡はこすらないように。皮膚が向けやすいですからズルッと剥けますよ。新しい皮膚ができますが、紫外線に弱いのでUVカットのクリームを塗ってください」「分かりました。ありがとうございます」
 翌日、予定通り暇をいただく。だけど今日も薬を塗って包帯はぐるぐる巻き。もったいないから今日もう一日右手を挙げて入浴しようかな。
 帰宅途中、スーパーにより、刺身と冷酒を購入。「両親の昼食用の野菜炒め」をつくっていたので、心を痛めていた両親と今夜の夕食は快気祝いと行きたい。