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2012 - がん友、皿海英幸さんのエッセイコーナー

年度替わりに
  4月になったら私は60歳、年金をもらえるようになるだろうから職場で正
社員を辞退し、パートにしてもらおうかな。両親に介護が必要だし、私は本来
あるものがない(胃を全摘)。歳を感じ始めたら急速に衰えるかもしれない。
身体に楽をさせることを考えてみようか。
      
  年が明けるとこんな考えが浮かび、正社員とパート、どちらでいくか悩んで
いた。だけど、3月にきた一枚のはがきで結論が出た。内容は「あなたの年金
は61歳から受け取ることになります」というもの。法律の改正にちょうど引
っ掛かるのだ。今年は悩むことなく正社員で行くしかない。
  この話を職場の同僚でしたら、「パートなんかだめですよ。利用者の顔色を
気にせず、ズバッと正論を言う職員はあなたの役目です」そういえば、以前利
用者に言われた。「皿海さん、一人辛口で頑張っていますね。そういう人が必
要です」ほめられているのかな。評価されているのかな。どちらにしてももう
一年、正社員として淡々と職責を全うせざるを得ない。
        
    誕生日会にて
  四月二日、職場で誕生日会がありました。「一緒に祝いたい」という声があ
るので、わかばでは利用者だけではなく、四月生まれの職員も前に出ます。今
月は四名でした。そのさいの私があいさつした内容を記します。
       
  「今日はありがとうございます。誕生日で六十歳、還暦です。五十三歳のと
きスキルス胃がんが見つかりました。主治医に『手術が成功しても五年生存率
は十%を少し超えるくらい』と言われました。同じ病気の人が百人いるとすれ
ば、九十人近い人が五年後には死んでいたとしても医学上はおかしくないとい
うことです。だから生きて六十歳を迎えるなんてとても思ってはいませんでし
た。これからも『いつ死んでも悔いを残さない』という気持ちで、ていねいに
誠実に生きていきたいと思っています」

   花見にて
  四月四日、府中公園でわかばの花見をしました。桜は満開、平日にもかかわ
らず、人出が多く駐車場の確保が大変でした。
  みなさん昼食時には「小僧寿し」で用意したパック詰めの弁当に舌鼓を打
って平らげていました。私は胃を全摘していて、とても豪華弁当は食べられな
いので、いつものように妻の手作り弁当を持参させてもらいました。
  周りを見渡すと福祉施設も家族ずれも皆さん業者のパック詰め弁当。中には
スーパーあるいはコンビニで買ったのであろうおにぎり・トレーに入った総菜
をそのままレジ袋から出して食べている人もいました。
  我が家も子どもが小さい時には弁当持参でよく出かけました。そんなとき、
よそのグループがパック詰めの料理を持参しているのを見ると何か違和感があ
りました。保育所でも小学校でもPTCの時間に親子でおにぎり作りくらいは
したと思います。だから我が家では子どもと一緒におにぎりや卵焼きをつく
って弁当にしていました。私にとり、行楽弁当とは家庭で作るもの、許される
なら家族で楽しみながら作るものという意識があるのですが。
      
 私は古いタイプ、少数派なのでしょうね。ちょっと気がかりでした。